僕の活動拠点である笑恵館で、「レンタルウォール」という新サービスを始めた。
これは、幅50センチ程度の額に収めた作品を展示販売するために、笑恵館本館1階のカフェスペースの壁面を月額500円で貸し出すサービスのこと。
カフェスペースの奥の壁面には奥行30センチの棚があり、自由な展示や販売ができる「レンタルシェルフ」というサービスを従前から提供していた。
幅40センチに区切って、月額500円で貸し出していたので、この新サービスもこれに準じた利用料でスタートすることになった。
笑恵館では、こうした新たなサービスが次から次へと誕生するので、今日はその仕組みを簡単にご紹介したい。
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笑恵館は「会員制のみんなの家」で、会員になれば家族として全館自由に使うことができる。
もちろん会員にならなくても、庭やデッキなどの外部空間や、本館1階のカフェとトイレはどなたでも利用できるように開放している。
でも、それらはあくまで「来客のおもてなし」であり、笑恵館アパートの入居者だけでなく、施設を使って人を招く側の方たちすべてを「家族=笑恵館に属する人」と考えている。
施設の一部を開放し、会員の皆さんがイベント開催や飲食サービス、物品販売などをできるようにすることは、小さな起業のきっかけづくりでもある。
その結果、笑恵館の売上はすべて会員から得られる収入で、外部からの売上はすべて会員の収入となっている。
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さらに、笑恵館の運営に関することは、すべて月2回開催する運営会議で決めている。
笑恵館クラブの会員ならだれでも参加できるので、新たな提案や相談がある会員には、この会議に来ていただく。
昨年末、会員のSIさんからご相談を受けたので、早速この会議にお誘いしたところ、独自に取り組む「ミシンで作るドローイング刺繡」の作品紹介だった。
当日ご持参いただいたのは、長さ2メートル以上の大作で、常設展示は難しいと思われたが、むしろ小型の作品を、説明パネルを添えて展示するとか、参加者を募りイベント形式で大作を披露するなど、様々な意見が飛び出して会議は盛り上がった。
そして先日、SIさんが新年にちなんだ作品を額に収めてお持ちになり、「壁面をお借りしたい」との申し出を受けたので、「レンタルウォール」がスタートした。
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作品の展示に際し、運営会議から「わかりやすい説明パネルを添えること」と要請があったことを伝えると、SIさんは「細かい説明は、書くより直接お話ししたい」と言うので、「説明して欲しいのは展示の目的ですよ」と加えると、「え!、展示の目的ですか?」と困り顔。
そこで僕は「目的が分からないと、何を手伝えばいいのかわからない。つまりみんなSIさんのこと応援したいんですよ!」と答えると、SIさんはにっこり笑って「なるほど、真剣に考えます!」と答えてくれた。
SIさんの創作は、誰もができることではないけれど、SIさんの目的はみんなで分かち合えるはず。
自分の言葉に気づかされた僕は、このことをあなたにも伝えたいと思った。