先日ご案内した通り、友人の広瀬君に乗せられて、「最悪を考えた経営者のための緊急講座」と銘打ったZoomせみなーでライブトークを行った。
久しぶりに倒産経験の話をしたので、幾度か涙が込み上げてしまったが、今の僕自身の原点を見る思いがして、いい体験だった。
それと同時に、多くの人が様々な破たんを迎えつつあり、僕の経験が役立つことを願いつつ、改めて「破たんとは何か」という疑問がわいてきた。
そこで今日は、僕の大好きな「一見分かりきったことへの疑問」を論じてみたい
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まず、鉄板の手順として「破たん」ググってみよう。
辞書を調べてみると、三省堂の大辞林には次のように書いてある。
はたん【破綻】(名)スル
① 着物などがやぶれほころびること。 「処々-して垢染みたる朝衣を穿ちたり/経国美談 竜渓」
② まとまっている状態が維持できなくなること。成り立たなくなること。 「生活が-する」
そもそも「綻」は「綻ぶ(ほころぶ)」という言葉で、①の意味から始まったようだ。
さらに「破」つまり「破る(やぶる)」という字が加わって、もはや取り返しのつかない修理不能な状態がイメージできる。
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次に僕の大好きなウィキペディアを調べてみると、そこには次の記載があるだけだ。
破綻(はたん)
・企業が民事再生法などの適用を受け、倒産すること。経営破たんとも呼ばれる。
・地方公共団体の財政が立ち行かなくなること。財政破たんとも呼ばれる。
・人と人の関係がうまく行かなくなること。夫婦関係などに見られる。
ウィキペディアは匿名投稿型なので、根拠のない百科事典として名高いが、所詮僕の意見だって他人から見れば根拠のない独断だ。
だから、ウィキペディアは答えとして信じるのでなく、疑うことにより、価値ある発想の手掛かりとなる。
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ここで注目したいのは、3つの事例がすべてお金に絡んだ話ということだ。
最初の企業経営破たんとは、まさに債務不履行というお金を踏み倒す破たんのこと。
次の財政破たんも、夕張のように債務を減免する、文字通りお金の破たんのこと。
そして最後の人間関係だが、夫婦関係に代表されるのは離婚による慰謝料や養育費、財産分割などお金のことばかりが頭をよぎる。
例えば、先祖代々引き継がれた家宝の器を割ってしまったり、着物を破いてしまったら、それは元に戻すことのできない、「取り返しのつかない破綻」と言えるだろう。
だが、経営破たんや財政破たん、そして夫婦関係の破たんなどは、本当に取り返しのつかない破綻なんだろうか。
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こうして考えてみると、破たんとは「取り返しのつかないこと」でなく、むしろ「修復可能な綻び(ほころび)」を意味しているように僕は思う。
現に僕自身、150億近い事業を終了・清算し、個人保証債務として残った30億円近い債務を、返済することなく時効を成立させた。
この処理が、正しかったのか間違っていたのかは、社会が判断することだ。
僕がどこにも隠れることなく今生きていて、元気に活動できているということを、僕は社会の判断だと受け止めている。
つまり、破たんを乗り越えるということは、ほころびを修復したり損害を弁済することでなく、自ら諦めることなく堂々と生き続けることではないか・・・と思えてきた。
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僕が会社を潰した時、「借金を踏み倒すことは犯罪なのか」を確認したことを思い出す。
借金を返済しないことは、これを取り締まる法律は無い。
そこに不正行為や詐欺行為があれば、明らかに犯罪だが、秘密も嘘も無ければ借金を返さないことは合法的な行為なのだ。
さらにwikiを調べると、「英米法の契約不履行は約束者(債務者)だけでなく受約者(債権者)も責任を負う。」との記載もある。
そして、破たんを「失敗」と言い換えれば、さらにわかりやすくなる。
「失敗」の反対は「成功」だとしたら、「成功」が良いことで「失敗」が悪いことなのか。
さらに言えば、「勝ち」が良いことで「負け」が悪いことなら、誰も勝負などできないではないか。
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というわけで、「破たん」や「失敗」そして「負け」を恐れることなく、みんな元気に生きていこう!
困ったときは「困った!」と声を上げ、助けを求めよう。
困ってない人が、困った人を見かけたら、さっさと助けてあげよう。
つまらない、当たり前の結論になっちゃったけど、絶対正しいことだと僕は思う。