先日テレビを見ていたら、「あなたもできる片付けの極意」 みたいな番組の中で、さんざん遊んで散らかしたおもちゃをテキパキと片付ける小さな子どもが登場した。
そしてこの子たちに片付け方を教えたという女性が登場し、片付けられない子供たちは「片付けるという言葉の意味を知らない」のだという。
この言葉にびっくりして、僕は茶碗を落としそうになった。なぜなら「僕も知らない!」から。
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「片付ける」には、整理する、きれいにする、何もない状態にするなど様々な意味がある。客が来たら慌てて「全部押し入れに突っ込む」のも片付けるの一種た。
しかし、それは本当の片付けるとは違う気がする。それでは、片付けるとは一体何なのか! 僕は固唾を飲んだ。
子どもには「片付けようね」でなく「元に戻そうね」と教えました!
これには参った、なるほど、賛成だ。
「元に戻す」なら、元の場所さえ覚えておけば誰でもできる。
それに比べると「片付ける」はかなり難しい概念だ。
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しかし待てよ? 「難しい」とはどういうことか。
「簡単」と「難しい」の違いは何か。
もしも「時間や手間をかけずにできることと、時間や手間をかけなければできないこと」の違いだとすれば、できるようになるのを見守るのもいいだろう。
だがしかし、「大概の人ができるか、できないか」を指すのだとしたら、いくら待っても時間の無駄で、別のやり方を考えなければ進まない。
つまり「片付ける」が難しいのは「学習や訓練を必要とするから」でなく「どうしたらよいかわからないから」という思い違いに僕は気づいた。
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そもそもここを間違えると、「違うやり方=違う言葉」を探そうともしないだろう。
我々は、知っていることに挑んでいるつもりが「そうではない=知らないことに取り組んでいる」ことがあるということだ。
「片付ける」を「元に戻す」に言い換えることで、その「元=片付いた状態」を考える必要が生まれ「整理」の概念も身近に感じられるようになる。
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この謎解き作業は、自分の言いたいことややりたいことを言葉にする際の、極めて重要な手がかりとなる。
あなたも必ず、何かうまくいかないことを抱えているはずだが、それをいつも「何と呼んでいるか」を思い出してほしい。
そしてその言葉の意味を説明できるのか、その言葉を実行できるのか試してみる。
もしできなければ、その言葉以外の言葉を探すべきだろう。
もし難しければ、やはりその言葉以外の言葉を探したほうがいいだろう。
(まつむら塾より転載)