昨年11月、とあるNPO法人の理事長BTさんから、「法人運営の事務作業が処理しきれず、やりたい活動に専念できない」という相談を受け、僕は即座に「それではすべての雑用処理に挑むので、月額1万円で僕を雇いませんか?」と持ち掛けた。
すると「そもそも、何をどこまでやらなければならないのかが分からないので、何をお願いすべきなのか判然としません。」とおっしゃるので、「僕の相談者はすべてそうです、それを調べ提案するところから僕の仕事が始まります。」と答えた。
そこでさっそく作業に着手し、停滞するWEBサイトの再構築に向けたダミーサイトの作成、これまでの財務諸表の点検、会員管理と登記事務の確認などを行って、新たに事務局設置とその業務内容を理事会に提案した。
そして昨日、臨時総会が開催され、最終的には重要な議案と事務局設置が承認されたのだが、そこに至るまでにいくつかの紛糾があり、それを乗り越え、飲み込んでの合意だった。
正会員のほぼ9割が参加する総会が、こうした紛糾を乗り越えることこそが、合意形成のすばらしさだと思う。
今日は、その事務局に関する論点から、いくつかを紹介したい。
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まず初めに、正会員として総会に参加する僕に関して「松村さんに有償で事務局業務をお願いするのであれば、正会員とせず外部業者と位置付けた方がいいのではないか。」という疑問。
つまり、同じ正会員の中に無報酬のボランティアと有償の従事者が混在するのはおかしいという発想だ。
これに関して、僕は以前から全く逆の意見を持っていて、1万円を請求するのはまさにこの議論をするためだ。
上記の意見は「非営利活動は無償のボランティアでやるべき」を前提としているが、僕は「無償でタラタラやるのでなく、有償でしっかりやるべき」と言いたい。
そもそも「ボランティア」は、英語の「volunteer」に由来した外来語だが、「volunteer」を辞書で調べると、志願兵・有志、自発的に(奉仕・援助などを)申し出る、進んで(…しようと)申し出る、自ら進んで事に当たるとあり、「無償」という意味はどこにも無い。
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さらに言うと、「ボランティア」をググると「ボランティア3原則」などもっともらしい記述がたくさんあるが、これらの出展を調べるとすべてが出所不明で、いい加減だ。
これらを教科書にまで引用して、流布する輩がいることこそ看過できない。
なので、僕はすべての事業を「有償前提」で考えることにしている。
現に、NPO法人が管轄官庁に提出する「事業報告書」では、事業毎に支出の記載が義務付けられており、非営利事業とは、「お金を使わない」どころか、「何のためにいくら使ったか」が問われている。
だからこそ、そのために集めた会費や寄付金はすべて無税となる訳で、無償で人をこき使う仕組みではない。
僕が1万円を要求するのは、1万円以上、むしろ数十万円分の仕事をたったの一万円でやるボランティアだと、きちんと理解して欲しい。
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次に、事務局設置の必要性に関して、「法人存続と活動継続のどちらが大事なのか、法人の維持こそが無駄な労力ではないか」という意見が述べられた。
1999年に父から引き継いだ建設会社を潰したとき、「会社は潰すが仕事は続ける」を完遂した僕にとって、活動継続が優先することは言うまでもない。
だがそれは、決して法人存続が「目的でない」という意味であり、活動の継続に不可欠な方法であることを知ってほしい。
法人を、社会的信用とか、助成金の受け皿とかいう方がいるようだが、法人が個人より信用されるのはなぜなのかを考えよう。
法人が目的実現を目指す人々の集合体なので、寿命ある個人と異なり、その取り組みの持続が可能となる。
つまり、法人とは、目的実現を目指す不死身の人格を意味しており、その目的が「金儲け=利益分配」でない法人を非営利法人と呼ぶ訳だ。
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そして最後に、僕松村は事務局業務を担うことが目的でなく、それを担う若者を育てることを目指したいと説明すると、「それができたら苦労はしない、理想論など誰でも言える」と批判されたが、僕は「これは希望や理想でなく、今着手していることを述べただけ」と即座に反論した。
もちろんこういう意見を言う人は、理想論だけ述べる口先人でなく、「それができずに苦労してる方」だと思いたい。
そして、その人に対し、若い人の口説き方や唆(そそのか)し方を、丁寧に伝授したいといつも思う。
そのために何よりも大切なことは、引き継いで欲しいコトやモノの面白さをきちんと伝えることであり、さらにそれができるようになるためには、その面白さを知る必要がある。
僕が1万円で請け負う雑用は、すべて依頼者がやりたがらないことばかりだが、やらなくて良いことなど一つもない。
さらに言うと、1万円では誰も引き受けそうもない仕事なので、競合は見当たらない上に、感謝されることは確実だ。
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こんなやり取りを経て、最終的に事務局設置が承認され、僕松村が事務局長に選任された。
これまでも、僕のすべての有償業務は、こうして月額1万円のフリーパートナーからスタートした。
昨年9月からは、すべての活動を実現倶楽部に統合し、オンラインのみでサポートする月額1,000円のアントレメンバーも新設した。
と言う訳で、何を相談すればよいのかわからない人も、気軽に相談して欲しい。
あなたが何を求めているのか、一緒に考えることも、僕にとってはかなり面白い(気付きに満ちた)ことだから。
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