僕の活動拠点「笑恵館(しょうけいかん)」の10周年を記念して開催するイベントについて、この場を借りて検討したい。
まず、イベント開催の目的は、次の3つ。
1.笑恵館の「らしさ(特徴)」を楽しみたい
2.笑恵館の「存在感(認知度)」を高めたい
3.笑恵館の「仲間(家族)」を増やしたい
まず、これまで培ってきた「笑恵館らしさ」を楽しむことこそ、10周年の祝い方にふさわしいと思う。
そして、このお祝いをイベント化することで、これからの笑恵館が更なる仲間を迎え入れ、より広く知らしめたいと考えた。
そこで今日は、このイベントの中身、見せ方、参加方法について検討する。
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そもそも、笑恵館とは何なのかを、簡単に振り返ろう。
一言で言えば、一人暮らしをせず、近所の他人が家族になって運営する「会員制のみんなの家」。
そして将来、仲間たちと共同所有することで、いつまでも続けられる事業を目指している。
2012年の5月に笑恵館オーナーのTさんから相談を受けた僕は、すぐに月額1万円で雇われて、9月には運営と将来の所有を担う法人(日本土地資源協会)を設立し、月に一度の交流会・多世代型シェアハウス研究会を開始した。
翌年からは笑恵館ミーティングに改称し、7月には笑恵館クラブを立ち上げて改修工事に着手して、2014年3月からお試し利用を開始した。
そして2024年4月、笑恵館はゆるゆるとオープンしてから、満10年を迎えようとしているが、笑恵館クラブの会員(家族)は750人を超えている。
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この10年、笑恵館では様々なチャレンジが繰り返されてきた。
特に重要なチャレンジは、内閣府への公益申請取り下げに伴う、一般社団法人スキームの確立だ。
開業当初は、施設開放を中心とした事業なので公益法人を目指したが、「会員制」が不特定多数の原則に反するということで否認された。
排他的な日本人クラブを運営する日本政府から、会員制を否定されるなど全くの心外で、頭に来て即刻申請を取り下げた。
だがこのことは、欺瞞に満ちた公益性や公共性からの決別の機会になり、本当に良かったと思う。
日本土地資源協会の「日本」は、世界の中で日本でだけ成り立つスキームという意味で、決して国を代表する訳では無い。
むしろ、「民間の民」こそが「民主の民」だと思いを新たにし、公的支援を一切求めない自力経営を覚悟した。
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その結果、笑恵館は自主自立の「自由」を得た。
サンデル教授の正義の三要素「幸福・美徳・自由」の内、笑恵館がこだわるのは「自由」だと思う。
日本国憲法には以下のような自由権が謳われている。
精神的自由:思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由、集会の自由、結社の自由、表現の自由。
経済的自由:居住移転の自由、職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由、財産権。
人身の自由:奴隷的拘束・苦役からの自由、令状なき不当な勾留など、正当な法的手続を踏まない不当な拘束からの自由。
これに対し、笑恵館のサービスも「自由」に基づいている。
自由→フリー→無料開放、セルフサービス。
自由→放任→放ったらかし文庫、まちかどベンチ。
自由→責任→レンタルシェルフ。
自由→義務→公益レポート。
自由→占有→予約利用、賃貸利用。
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話を本題に戻そう。
先日のブログに書いたとおり、当初は「終わらないイベント@笑恵館」ということで、敷居の低いビジーネスコンテストの開催を考えた。
https://nanoni.co.jp/20240107-2/
だが、さらに自由で誰もが参加できるコンテストは何かと考えた時、「コンテストのコンテスト」をひらめいた。
まず、笑恵館を使ってやってみたいコンテストを広く募り、今年のコンテストをみんなで選ぶ。
コンテストの内容は、自分に都合の良いルールでも、自分が優勝できそうなルールでも何でも構わない。
3月中に募集して、4月の10周年記念パーティで人気投票で実施コンテストを選び、5月から来年2月までの成果を募集して、来年の4月に審査する。
実施コンテストを選ぶコンテストofコンテストと、そこで選ばれたコンテストを1年かけて実施すれば、毎年一つずつ新たな魅力が生まれるはず。
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よっしゃ、10周年を記念して、こんなプロジェクトを始めよう。
10周年記念だから、とりあえず20周年までの10年間やり続けることにしよう。
そうすれば、笑恵館で楽しく競い合うイベントが毎年提案されるようになり、少なくとも10個以上のコンテストが笑恵館で生まれるはず。
毎年新たなコンテストが提案されることは、他の施設の刺激になるだけでなく、笑恵館にも新たなアイデアをもたらすだろう。
そして、実施されるコンテストが笑恵館の目指す価値観を広く伝え、共感する新たな家族を生むかもしれない。
「参加する喜び」こそが、このイベントが伝えるべきことだと、僕は今気が付いた。