まつむら塾の再開は、「ガイダンスセミナー」から始まった。
これは、かつて「起業マインドサイト」の名称で開催した全20回のセミナーを始めるにあたり、その説明会を兼ねて無料で開催したもの。
初回は無料で対応し、そこに価値を感じた人だけ次回から対価を頂くのが松村流のやり方だ。
なので、今回も迷わずガイダンスセミナーからスタートした。
だが、振り返ってみると、先回開催したのはアントレハウス駒沢という笑恵館以前の活動拠点だったので、すでに10年前のこと。
レジュメを見ながらの説明は、自分でもワクワクしたし、2回目はオンライン開催したので、録画を見ることもまた新鮮だった。
そこで今日は、語り手である以前に聞き手としてセミナーの内容を振り返り、今後の方向性をイメージしたい。
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まず、セミナーのレジュメはこんな感じ。
1.「起業」とは何か 日常・非日常・起業、ビジネス=営利or非営利=個人or団体=公or私。
2.「実現」とは何か 夢≠現実(夢と現実の違い・関係)、夢=自分、現実=世界。
3.「成功」への道のり 「うまく行く方法」を考える前に、「うまく行ったらどうなるか?」を考えよ!。
4.「信じる」を説明せよ 知っている≠説明できる、答えはすでに判っている(言葉は世界でできている)。
5.「答え」とは何か 新しい答え(起業)、初めての答え(創業)、自分の答え(交流)、世界の答え(地域)。
僕の言う「起業」とは、自分の「答え」を探すチャレンジに着手すること。
そのために、「夢と現実」、「実現とまぐれ」、「成功と失敗」、「知ると説明」など、様々な言葉の話が続いてゆく。
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言葉は、人類が世界を説明するために作りだした創造物だ。
およそすべての言葉は、この世界の何かを指し、何かを意味し、何かを表している。
だから、言葉が正確に理解されるには、それが世界のどの部分を指し示しているのかを、誰もが同様に理解していることが前提だ。
これを怠ると、一見簡単な説明がまるで伝わっていなかったり、自分の考えすらまとめることができなかったりする。
いくら議論しても、意見も出ず、結論も出せない会議が繰り返されることになる点で、日本は特に深刻だ。
諸外国と違って日本社会には外国人が少なく、言葉の通じにくい人たちとのコミュニケーションに不慣れな上、言葉の意味や内容を確認せずとも、共有できているという前提がまかり通っている。
日本の組織の決定スピードが遅いと言われるのは、決済システムの複雑さ以前にコミュニケーション自体の不全が関与しているのかも知れない。
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まつむら塾には「D4.世界学・言葉は世界でできている」という講座があるので、ガイダンスセミナーでは、これを活用することにした。
https://nanoni.co.jp/juku/d4/
以前「世界は言葉でできている」という人気番組があって、言葉が世界を見事に説明していることをよく示していた。
言葉は世界を説明する道具に過ぎず、世界そのものでは決して無い。
だが、言葉は世界の構造を見事に反映しているので、何を指しているのかを検証することにより、世界を描く技を会得できる。
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だとすれば、あえて言葉の意味を再確認することは、言葉を「世界を説明する道具」から「新しい世界を描く武器」に変える取り組みになるかもしれない。
まつむら塾が挑みたいのは、様々な課題に対する解決策を提示するのでなく、解決後の具体的な世界を自在に描くこと。
言い換えると、夢が実現した様子を思い描くこと。
それは言葉を使って物事を考える私たちにとって、「考えるを変える」作業となるのかもしれない。