官民と公私

ついに、拙著「地主の学校」のゲラ校正を完了した。

8/15に入稿して以来、待ちわびた「ゲラ刷り=校正のための試し刷り」が10/13手元に届いたのだが、およそ2か月ぶりに読み返してみると、なんと、意外なことに面白い。

そもそも一昨年の夏、初めに書き上げた時も、20年ほど前に執筆を思い立ち家づくりに関する本を書いた時も、もっと言えば42年前に大学の卒論を書いた時も、読み返してみたらつまらなくて、やる気が失せたことを思い出す。

それに比べて今回は、自分自身が面白く読むことができる本になりつつある。

出版費用をケチったために、いきなりゲラ刷りによる校正(送り仮名や文字表記とリーガルチェックのみ)で、内容はほぼ原案のまま進行中だが、そのことも僕の満足度を高めてくれる。

ますますやる気が出た僕は、「更なる僕らしさ」を追い求め、鉛筆で校正されたゲラを赤ボールペンでチェックした。

すると、分かりにくい個所が数か所見つかった。

」を「なるほどと気づき分かること」と定義する僕にとって、分かりにくい=つまらないを意味している。

なので、「分かりにくい」を「分かりやすい」に変えるため、最後の悪あがきに着手して、何とか「松村流の分かり方」を提示できたと思う。

そこで、ここではその一例として、「公私と官民の違い」についてご紹介したい。

まず、僕の説明はこうだ。

【すべての人は「官と民」のどちらか片方だが、「公と私」はその両方を併せ持つ。】

そもそも「官民」と「公私」が違うことくらい、誰でも知っている。

だが、この2つが「どう違うのか」を説明するのは簡単じゃない。

早速それぞれを広辞苑で調べると、こんなことが書いてある。

こう‐し【公私】・・・おおやけとわたくし。公務と私事。政府と民間。社会と個人。「―の別」

かん‐みん【官民】・・・官吏と人民。政府と民間。「―一体となる」

それこそ「そんなことくらい知ってるよ!」、と言いたくなってしまう。

実は、「どう違うのか」のことを「相違点」と言い替えれば、比較することで一目瞭然のはず。

2つの言葉は、どちらも2つの概念の対比を表している点において共通しているが、それぞれの対比が指し示す意味は違うに決まっている。

相違点とは、同じもの同士の違う部分であり、共通点とは違うもの同士の同じ部分のこと。

だからここでは、公私と官民を同じものとしてみた時の違いを論じたいわけだ。

そこでもう一度辞書の説明を見ると、末尾にヒントが書いてある。

それは「」で書いた用例のことで、「―の別」と「―一体となる」のこと。

つまり、公私はそもそも一緒だから「公私の別」であり、官民はそもそも別だから「官民一体となる」という風に使われる。

僕がこの議論を持ち出したのは、多くの人が「公私」と「官民」を一緒ごたにしているから。

官庁をパブリック(公的)、民間をプライベート(私的)などと考えることが、まさに2つの混同だ。

社会は役所のものでなく僕らのもの・・・という僕らとは、まさに「私が集まった公」と言えるだろう。

僕が目指すのは、「官有地と民有地」と分類された民有地を、さらに「公有地と私有地」に分類し、土地を共有することで「公有地」を生み出して、そこを小さな国にすることだ。

あ、また新たな説明を生み出しちゃった。

そろそろ「地主の学校2」を書き始めようかな。