一部の方はご存知と思うが、僕は昨年10月から「国づくり活動家」と名乗っている。
それは、自分の家や土地を使って面白い世界を作るなら、「まち」や「むら」でなく、いっそ「国」と言ってしまった方が、自由に発想できると考えたからだ。
実際、世界には様々な国があるし、その歴史もまた様々だ。
自分の家や土地を小さな国と考えて、自分が王様になったつもりで世界や歴史を見渡せば、社会に対する不満や怒りを小さな国づくりのエネルギーに変えることができるはず。
そんな思いで書き始めた「地主の学校」は、いずれ「王様の学校」に発展させたいと願っている。
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とはいえ、「国づくり」を「ごっこ」で終わらせたくない。
やるからにはたとえちっぽけでも、本物の「国」を作りたい。
そこでまず、「国」の定義を調べたら、どうやらこの条約が世界の拠り所になっていいて、その第1条に「国家の要件」が定められている。
国家の権利及び義務に関する条約(モンテビデオ条約、1933年12月26日署名、1934年12月26日発効)
第1条 (国家の要件)
国際法人格としての国家は、次の要件を要する。
a 永久的住民
b 明確な領域
c 政府
d 他国と関係を取り結ぶ能力
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僕が一番納得したのは、「国際法人格としての国家」という言葉だ。
a~dの4条件を満たすことで、国家が国際法人格を持つという意味だ。
確かに、国家は土地を所有できるし、裁判で訴えられることもあるのだから、法人格に違いない。
そして、その要件に「永久的住民」があるのだから、財団というよりは社団法人だと僕は思うし、もちろんこの「永久」と「政府」が永続的な法人運営を指す。
そして「他国と関係を取り結ぶ能力」こそ、平和で楽しい世界を作る力を指す。
だが、「明確な領域」という言葉からは、「土地」に限定されない様々な分野をイメージする。
これからは、バーチャル空間にも、心の中にも国づくりができると思う。
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次に、実際の国家はどうなっているのかも調べてみた。
世界を代表する国際連合には193か国が加盟しているが、全ての加盟国から承認されている国ばかりではないことに驚いた。
例えば、韓国は北朝鮮から承認されていないし、北朝鮮は韓国、日本、フランスから承認されていない。
そのほかにも、パキスタンが承認しないアルメニアや、トルコが承認しないキプロスなど、2国間関係による事情もあるが、中華人民共和国は13か国(承認国数 180/193)、イスラエルはなんと28か国から承認されずにいる(承認国数 165/193)。
これに対し、投票権のない「バチカン市国(承認国数 178/193)」や、イスラエルなど一部の国が承認しない「パレスチナ国(承認国数 137/193)」はオブザーバー扱いだし、かつての加盟国であった「中華民国(承認国数 15/193)」は、後に加盟した「中華人民共和国」から独立国とみなされず、現在「台湾」として独立の道を模索している。
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だが、世界にはまだたくさんの国がある。
国連加盟国の一部から承認を受ける非加盟国としては、「コソボ共和国(承認国数107/193)」、「サハラ・アラブ民主共和国(承認国数47/193)」、「クック諸島(承認国数43/193)」など7か国。
そして非加盟国からの承認を得た国として「アルツァフ共和国(承認国数2)」や「ソマリランド共和国(承認国数1)」などの数か国が存在する。
そして、忘れてならないのは、独立に至らない、あるいはこだわらない多数の国家の存在だ。
それらは現状、国家の一部分や自治州として含まれている。
だが、先ほどの「モンテビデオ条約」には、領域の「明確」を定めるだけで「重複」を禁じているわけではない。僕が、「領域は土地に限らない」と言ったのはこのことだ。
つまり、周囲との関係が良好であれば、領域が含まれたり重複しても構わないと僕は思う。
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そして最後に「世界は327の国がある」と主張するという団体を紹介したい。
「トラベラーズセンチュリークラブ(TCC)」は、1956年にロサンゼルスで結成された「旅行同好会」で、現在1,400人の「超旅好き」の会員が参加している。
参加資格はシンプルで100カ国を周った者、50カ国を周れば仮会員になることができる。
TCCが認める国は327カ国もあり、ほとんどの国が地域として扱っているエリアを国と捉えている。
日本も3つの国に分けられて、「沖縄(Ryukyu Islands」と「小笠原諸島(Ogasawara)」は1つの国とされ、「アジア(ASIA)」ではなく「太平洋(PACIFIC OCEAN )」というカテゴリーに属している。
ちなみに、入会費$100+年会費$85で、主な活動は各々の旅行の発表会やフォトコンテストなどのイベントだとか。
名誉ある同好会員になれるのであれば、50カ国達成して仮会員になるのも悪くない。
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いずれにせよ、世界や国を身近に感じることで、人生を面白くすることが僕の目的だ。
だから今日の話も、世界の問題を指摘したのでなく、世界の面白さを紹介できればと願ってる。