15年ほど前、スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の「宇宙戦争」という映画を覚えているか?
(ご参考までに予告編 https://www.youtube.com/watch?v=msxe3yJPfyY )
巨大な宇宙人が地球侵略にやってくる。
原作はタイムマシンや透明人間などでお馴染みのH・G・ウェルズによる同名SF小説『宇宙戦争』だ。
この小説は、1938年10月30日にハロウィン特別番組として、アメリカのラジオ番組『マーキュリー放送劇場』の中で、音楽中継の途中に突如として臨時ニュースとして火星人の侵略が報じられるという体裁で生放送されたため、多くの聴取者を恐怖させ、実際の火星人侵略が進行中であると信じさせた。
番組を制作したオーソンウェルズ(第3の男で有名)は、この成功で世界中に名を馳せた。
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その後何度も映画化されたこの小説は、その結末があまりにも有名だ。
巨大な宇宙人やその恐るべき化学や兵器になす術もなく諦めかけた人類を、最後に救ったのは小さな病原菌だった。
つまり、我々人類が慣れ親しんでいる「風邪」に初めてかかった宇宙人たちは、成す術もなく死んでいった。
(ご参考までにラストシーンも観て欲しい https://www.youtube.com/watch?v=OKVTdaOoNW8 )
この「落ち」は、その後幾度となく多くのストーリーで繰り返されることになる。
映画「インディペンデンスデイ」の中で、ウィル・スミスが宇宙人に反撃できたのは「コンピュータウィルス」だった。
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もうお気づきだと思うけど、僕がしたいのは新型コロナウィルスの話だ。
Wikiによると、コロナウィルスは哺乳類や鳥類に病気を引き起こすウイルスのグループの1つで、ヒトでは、風邪を含む呼吸器感染症などを引き起こす。
SARSコロナウイルス(SARS-CoV)、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)および2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のようなタイプのウイルスでは、致死的となる場合がある。
また、症状は生物の種類によって異なり、鶏の場合は上気道疾患を引き起こし、牛や豚の場合は下痢を引き起こす。
ヒトコロナウイルス感染を予防または治療するためのワクチンや抗ウイルス薬は、2020年2月時点ではまだ開発されてない。
今回のウィルスの恐ろしさとは、まさに地球侵略にやってきた宇宙人が風邪をひいた時と同じだ。
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ウィルスはあまりにも小さいので、殺すことは難しい。
動物や植物が死ぬのは、すべての細胞が死ぬことでなく全体としての機能が停止することを指している。
そもそもウィルスは1粒の細胞が生きているのだから、その生死は僕等とは違う。
結局のところ、体にとって有害なウィルスを無害化するしか方法はないが、それは抗体が担う「免疫(めんえき)」という作業で、誰もが毎日やってることだ。
ワクチンや抗ウィルス剤の役割は、まさにこの免疫を促し補助することだ。
つまり、僕らは自分でコロナウィルスに打ち勝つか、仲良くするしか道はない。
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自然はなぜ、人間に新型コロナウィルスを差し向けたのだろう。
それはもしかすると、危険な宇宙人から地球を守るためかもしれない。
このウィルス騒動はいつかピークを越えて、いずれは沈静化した世界を取り戻すだろう。
その時もしも、世界の何かが変わったとしたら、それこそが自然がコロナウィルスに託した使命かも知れない。
今起きている騒動や混乱も、総てがその目的に向かうためのプロセスかも知れない。
果たして何人の人が死ぬのか、いくらの損害が発生するのかに世界は血眼になっているが、大切なことは少し違うことかもしれない。
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新型コロナウィルスの騒ぎか思い出させてくれた映画を、スピルバーグが作ったきっかけは、9.11の同時多発テロがきっかけだったそうだ。
墜落するジャンボ機や、宇宙人にさらわれた家族を探す掲示板の張り紙は、まさに当時を思い起こさせる。
だが、そのパニックから世界を救うのは、昔から一緒に暮らしてきた小さな風邪ウイルスだった。
果たして新型コロナウィルスは、世界を脅かす敵なのだろうか?
世界はこのウィルスに滅ぼされてしまうのだろうか。
いやむしろ、悪いとすればそれはウィルスではないだろう。
むしろウィルスと一緒に、世界の悪を滅ぼしたいと僕は思う。