今年のリオ・オリンピックは、卓球・テニス・バドミントンで日本選手の活躍から目が離せない。
その理由は、どれもメダルの可能性があることに加え、僕自身少しずつかじった競技だからだ。
はじめにやったのは卓球で、今はすっかりなくなってしまったが、小学生のころ近所に卓球場があり、そこで中学生や大人から教えてもらった。
小学校高学年になると、母が近所のおばさんに誘われて硬式テニスを始め、その練習相手をやらされた。
そして、中学校3年の時学校の授業でバトミントンをやり、子供の遊びと違う大人っぽさに惹かれ、しばらくはまった。
いずれもかじった程度だが、ルールと体感を知っているといないでは、スポーツの面白さは雲泥の差がある。
だが、今の僕の興味はその試合よりも、競技の仕組みやルールの違いだ。
ビジネスのバリエーションを考える際、この違いは興味深い。
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ウィキペディアによれば、この3競技のルーツはいずれも紀元前から存在していたといわれる「テニス」だ。
卓球の起源は1880年代のイギリスで上流階級の遊びがスポーツに発展したものと考えられている。
テーブルテニスと言われるように、テニスが雨でできなくなったため、屋内でできないかと考えられた。
当初はディナーの後に行われる室内ゲームの一種で「ディン=ドン」(”ding-dong”)と呼ばれていたが、やがてピンポンと呼ばれるようになり、1900年代に急速に現在の形に近いものへと発展した。
バトミントンは元々はイギリス植民地時代のインドのプーナで1820年代に行なわれていた、皮の球をラケットでネット越しに打ち合う「プーナ」(Poona)という遊びを、インド帰りのイギリス人兵士(イギリス人とインド人の混血とも言われる)が1873年に本国に伝えたのが始まりとされる。
その兵士は、プーナを紹介するためにシャンパンの栓に鳥の羽根を刺したものを用い、それをテニスラケットで打って見せたという。(後略)
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そして、現在のローンテニスの歴史はごく浅い。
1873年12月、ウォルター・クロプトン・ウィングフィールド少佐が考案した「スフェリスティキ(sphairistike 、ギリシア語: σφαιριστική 、「球戯術」の意。略してスティッキ[sticky])」がその原型。
現在の社会体育、生涯スポーツの概念の先駆けとなる発想で、ラケット、ネット等をセットで商品化し、芝生の上なら何処でも楽しめる「持ち運びのできるテニス」などともいわれた。
ボールは中空のゴムボール(ソフトテニスボールと同様なもの)を採用し、当初は現在のように硬質のフェルトで覆われていなかった。
ウイングフィールド少佐の考案したテニスのコートは、中心部分が細くなっている蝶ネクタイ型をしていた。
1874年、ウイングフィールド少佐はテニスに商用としての可能性を見て特許を取得したが、商業的には成功しなかった。
ウイングフィールド少佐は特許の期限切れにともなう再申請を行っていない。
しかし、イギリスやアメリカで有閑階級を中心に急速に広まった。
アメリカではニューヨークのスタッテン島、メアリー・ユーイング・アウターブリッジの家で最初にプレイされた。(中略)
そして、1877年、イギリスのロンドンでアマチュアの大会として第1回目のウィンブルドン選手権が開催された。
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こうして、卓球はテニスのミニチュア版として、バドミントンはテニスラケットを使ってボールでないものを打つ変わり種として、そしてテニス(ローンテニス)は、テニスの原型をもとに「ラケット+ネットの商品」として開発された。
それも19世紀後半、産業革命全盛期のイギリスでほとんど同時進行のように。そして、第1回の近代オリンピックが1896年にアテネ(ギリシャ)で開催されたことを合わせて考えると、当時のイギリスで多くのスポーツビジネスが産まれ世界に広まっていったことがわかる。
僕にとって新鮮なのは、ビジネスが分化して多様性を増してきたプロセスだ。
今回3つの競技の起源を調べるうち、そのことに気付いたのは100年以上前のことを振り返るからであり、現在世界で進行していることをこういう視点で見るのはなかなか難しいと感じた。
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そこでさらに、3種の競技から球技全体へと範囲を広げ、その分類を俯瞰してみることにした。
ウィキペディアには、なんと「球技一覧」という言葉があったので、その抜粋を転載する。
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この表を、ビジネスの分類と思って見てほしい。
球技というビジネスは、「コートの有無」で大別され、コート有りは「ゴール入れ・ネット越え・人当て」の3つに分類される。
一方コート無しは「ゴルフ型、バット+ボール型、その他」に分類される。
そしてさらにゴールの形状やボールの種類などの装備や、ルール、得点法などで分化が進んでいく。
つまりこれが、スポーツの進化の記録だ。
進化とは細分化し多様化することで新たな適応を産み出すこと。
ビジネスにも全く同じことが言えると思う。
自分のビジネスが何から分化して生まれ、この先どのように分化・多様化していくのか・・・そのイメージづくりの一助となるように、この表を作ってみた。
今日の結論は「ウィキペディアって面白い」かな。