先日、日本橋CLIPの交流イベント「チラミセnight vol.27 -成熟産業から考えるイノベーション【不動産編】」に参加した。
与えられた5分間でまとめようとしたけど、僕のプレゼンは10分かかり、またしても反省。
でも、「僕のイノベーションは、日本政府の破たん後を想定している」は、ちょっとインパクトあったかな。
もう一人のプレゼンテーターである三井不動産のKさんは、業界でも有名な凄腕の仕掛人?で、日本橋CLIPも彼の仕業らしいが、参加者から「今日のプレゼンテーターは真逆で面白い」と言われたのもうれしかった。
Kさんの話は、まさに不動産業界に新風を巻き起こす新しい提案や発見に満ちていた。
では、その真逆とは何なのか・・・まさにそれが、僕の今回のテーマだ。
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Kさんの話を聞いた参加者たちは「なるほど」といった顔をしていたのに対し、僕の話を聞いた時のみんなは「へえ、そうなのか」という反応だ。
例えば、宅地建物取引主任者とは宅地の売買や仲介を取り扱う資格であり、宅地以外の売買や仲介には資格は要らないとか、不動産賃貸契約を結ぶのに当事者同士であれば資格は要らないとか、さらには不動産業が取り扱う民間宅地面積は国土のたった4.3%だとか、僕の話は「必要」よりも「無用」、「こんなにたくさん」より「たったこれっぽっち」の話が多い。
先ほどの正反対という感想は、まさにこうした僕の姿勢を感じ取った反応なのではないだろうか。
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この違いは、Kさんの示す新しさと、僕の示す新しさの違いに関係する。
Kさんの示す事例は「確かに新しい」と共感できるのだが、共感できるということは、その新しさをすでに知っていることになる。
「なるほど」という言葉は、知っていることに対応する言葉なのに対し、「へええ」は知らないことを意味する言葉だ。
僕が提示た事例は恐らくほとんどの参加者が知らないか気付いていないこと。
だから、最初の反応は「なるほど」でなく「へええ」になる。
つまり、Kさんの新しいは「古いの反対」だとすれば、僕の新しいは「知らなかった」を意味するわけだ。
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僕が伝えたかったのは、イノベーション・革新とは別段改革者によってのみ行われることではないということだ。
何も意図せず当然のことをやっただけで、それが世界を塗り替えるイノベーションとなることも有り得ると。
なぜなら、イノベーションとは実際に世界が変化する場合だけでなく、世界を感じ取る我々自身が変化することで世界が一変してしまうことでもある。
例えば今回のポケモンGOは、技術的には何ら革新的変化を伴わないのに、世界を揺るがす一大事となりつつある。
これは、スマホとGPSという技術が誰もが知っているキャラクターの居所を、アプリの中からバーチャル世界に変えたためだ。
ポケモンは決して現実世界でなく端末の中にいるのだが、我々自身の思い込みを書き換えたとでもいうべきか。
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だからこそ、僕らは現実世界のフロンティアを探すのみならず、自分の頭のフロンティアつまり「未知のこと」にも目を向けるべきだ。
たった一つの現実世界には、70億の人が生きている。
だから誰も知らない新しいことはそう簡単に見つからない。
しかし、あなたの脳にはあなた一人しかおらず、世界のごく一部しか見えていない。
イノベーションは、誰も知らない分野よりも、誰もが見落としていた分野でこそ頻繁に起こりうる。もしかすると、あなたにとって当たり前でも、周囲の誰もが知らないことだってあるのかもしれない。
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人は知らないものには興味を持てないが、知ってることには飽きてしまう。
「既知」と「未知」、「なるほど」と「へえー」の双方があって初めて、世界の中を探検する醍醐味に人々は魅了されるのではないだろうか。