地主とは、何もしないで収入を得る人を示す代名詞にも思える言葉だ。
僕が始めた「みんなで地主」は、まさに「みんなで地主になって楽に儲けよう」という話に聞こえるかもしれない。
テレビコマーシャルでおなじみの「みんなで大家さん」は、100万円から参加できる不動産投資商品で、投資という形だが出資者が不動産を共有する点で「みんなで地主」とよく似ている。
でも、僕の提案は「1円も儲けない非営利の地主」のこと。
今日はこのことを説明するために、頭の整理にお付き合いいただきたい。
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儲けることは大事なことで、僕はこれを否定するわけではない。
だが、金儲けにはいくつかの致命的な問題があることも忘れてはならない。
まず、成功より失敗する確率が高いし、永遠に成功し続けることはできない。
また、一人だけ成功しても周囲から妬まれるし、全ての人が成功することもできない。
金儲けには必ず成功と失敗があり、失敗に備え、乗り越える必要がある。
誰もが成功できないのなら、誰もが失敗しても平気な社会を目指したいと僕は思う。
そもそも土地とは地球のこと。
人類は今、誰もがいつまでも幸せに暮らせる土地(地球)を、目指していると僕は思う。
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だが、立地や環境など周辺の魅力や、建物設備の魅力に依存する他力本願の土地利用は、金儲けと同じく競争や淘汰にさらされる。
生き残り永続するには、土地の価値や利用収益を自分で高める必要がある。
そもそも土地の利用収益は、土地の利用価値に対する対価のはず。
だとすれば、すべての利用収益は、土地の維持保全と利用価値の向上に使うべき。
かつて、農地の所有が年貢のノルマを意味したように、現代社会の土地所有権にも、土地活用の義務を伴わせたい。
土地は所有者の収益源でなく、自らの利用価値を高めるために収益を循環させる仕組みにした方が良い。
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ここで収益の循環を担うのは、土地の価値を高める労働だ。
働く人に対価を支払うことで、労働の連鎖を生み出し、土地の維持保全と価値向上を促進する。
不労所得を排除するのは、労働価値を生まない無駄だから。
そして、労働できない子供は養育し、高齢者などは扶養を促進し、緩やかな相互扶助の大家族を形成する。
この家族が土地を共同所有することにより、土地利用は世代を超えて永続化が可能となる。
土地や事業が継承されず、地域や産業が衰退していくのは、家族の崩壊によるものだ。
土地所有の共同化は、相続による土地分割の回避から着手して、法人所有による総有を目指したい。
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そして、土地利用者は独自の収益事業にチャレンジし、共有メンバーや家族がこれをサポートする。
成功したら儲けを貯めて、失敗したら身を寄せる、土地を故郷のような拠点にすることが、誰もが失敗しても平気な社会を作ることだ。
土地の所有主体が非営利となることで、共同所有メンバーみんなが所有者並みの負担で土地利用できること。
僕の唱える「みんなで地主」とは、このことだ。
所詮日本の土地所有権は、「固都税(固定資産税+都市計画税)相当の地代」を支払う国からの借地権に過ぎない。
ならば、個人契約に対する高額な更新料(相続税)を繰り返し払うのはやめよう。
所有権の法人化で「みんなで地主」を実現し、固都税を納めるだけの「非営利の地主業」で小さな国づくりを始めよう。