このNPO法人は、設立し東京都に認証申請しましたが、最終目的である「笑恵館の寄付に対する譲渡所得税の免除」は叶わないことが確定したので、認証申請を取り下げて、法人設立を中止たしました。
このブログは、そのご報告を兼ねて、アーカイブ・レポートといたします。
「私たちの家」というNPO法人を新たに設立したいと思います。
当初は、現在任意団体として運営している「笑恵館クラブ」を法人化する程度に気軽に考えてきましたが、実際に説明するうちに「それは違う」と思い至りました。
「笑恵館クラブ」は、笑恵館オーナーのTさんが「私の願いは、めったに会わない身内よりも、気心の知れた近所の他人とお付き合いしながら、住み慣れたまちで人生を全うすることです。」という願いを叶えるために、広く賛同者を募る活動でした。
しかし会員数が470名を超え、その願いがある程度実現した今、次にやるべきことは「そしてこの願いが実現したなら、土地や建物を子供に相続するのではなく、私の後もそのまま利用、活用して頂けるようにしたいと思っています。」への挑戦です。
この二つのビジョンは、どちらもTさんの願いなのですが、前者はTさんが「生きている間の願い」で、後者は「死んだ後の願い」です。
この後者の願いを叶えるため、どうしてももう一つの仕組みが必要だ・・・と、僕は思い至ったわけです。
(Tさんの願い:原文はこちら http://shokeikan.com/about)
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笑恵館を永続的に運営するためには、どうすればいいのか。
当初は、その担い手として社団法人(日本土地資源協会)を想定し、「公益法人」という不死身の人格になることにより永続性を確保しようと考えました。
しかし、その法人が永続的に当初の思いを継承する保証はありません。
そもそも「永続性を担うのは何か?」という問いに応えなければこの問題は解決しません。
これまでの人類史において、様々な組織や体制が生まれ、消えていきました。
それらの多くは、繁栄を目指すコミュニティだったため、衰退とともに崩壊したのだと思います。
それでは、繁栄でなく継続を目指すコミュニティならばどうだろう・・・それは「家族」です。
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「家族」は繁栄でなく幸福を求めることにより、その定義を自在に変化させながら継続できるコミュニティです。
「家族」にとって、嫌うべきは衰えることでなく滅びることではないでしょうか。
今、笑恵館が取り組みたいことは、「継続する家族」をどのように作り出すかという課題です。
そもそも「継続を求め、担う人」がいなくては、事業の継続などあり得ません。
もしかすると、「継続を求め、担う人」こそが、「家族の定義」なのではないでしょうか。
「笑恵館クラブ」は、笑恵館を介して生まれた「緩やかな家族」のようなコミュニティです。
血縁ではなく、「笑恵館をいつまでもみんなの家として守っていこう」と願うことが、「笑恵館クラブという家族」の定義なのだと思います。
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こうした、「笑恵館クラブのような家族」を生み出し、サポートする活動は、笑恵館クラブとは別の仕組みにした方が良い・・・というのが今日の議論です。
そこで、その団体の名前は何だろうと考えました。
笑恵館クラブでは、笑恵館を「みんなの家」と呼んでいますが、それは「誰でもみんなの家」ではなく、「私たちみんなの家」を意味します。
つまり、笑恵館は決して「道路」や「公園」のような「日本中全員のモノ」ではないのです。
もしも、各所に笑恵館のような施設が生まれ、笑恵館クラブのようなコミュニティが育ったとすると、それらの家は「みんなの家」ではなく、「それぞれの家族の家」になるはずです。
そこで僕は、みんなの家(Everyone’s House)でなく、私たちの家(Our House)にたどり着きました。
新たな団体は、市民から提供された土地や建物を「私たちの家(Our House)」として運営することで、「私たちの家クラブ(Our House Club)」というコミュニティを作り、その人たちが地域の課題解決や魅力創出に永続的に取り組むことでまちづくりに寄与していきたいと思います。
「NPO法人私たちの家」の設立に向け、初めに作るべき「設立趣意書」の中身が、次第にはっきり見えてきました。
あとは、発起人の皆さんのご意見を聞きながら、急いでまとめたいと思います。
そこで今日の本題は、発起人メンバーへのお誘いです。
発起人とは、上記目的実現のため、この団体の設立に賛同していただける方たちです。
メールなどを使ってご連絡いたしますので、団体名はもちろんのこと、事業イメージから定款をまとめる作業にご意見をいただければ助かります。
この活動は、全国を対象にしておりますので、遠方の方でも大歓迎です。
そして、設立趣意書と定款ができ次第、10名の会員を集め、遅くとも3月21日(火)までには、設立総会を行いたいと考えております。
その際発起人の皆さんには、ご入会いただくのも大歓迎ですが、引き続きサポーターとしてご支援いただければ幸いです。
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まずは来週までに設立趣意書を完成させ、情報サイトを開設・ご案内できるように頑張りたいと思います。
あなたからのご意見やご質問、そして参加表明をお待ちしています。