「オーナーシップ」とは、個人と組織、個人と仕事との関係を示す概念で、担当する仕事を“自分自身の課題”と主体的に捉え、強い情熱と責任感を持って取り組む姿勢のこと(Wikipediaより引用)・・・その意味で「個人と土地」の関係はいったいどうなっているでしょう。日本国土の約4割に当たる民有地は、4千万人の個人によって所有されているのに、多くの人たちは「土地は誰のものか」など考えもせず、ましてや「自分のものとして大事に活用する」という当事者意識などほとんど持ち合わせていません。したがって、空き家、放棄地といった問題は、その末路を示す氷山の一角程度の現象であり、私たちの身の回りは「場所は足りないのに余っている」という矛盾だらけです。「オーナーシップクラブ」は、土地資源を持て余している所有者が仲間を募り、「自分たちの土地」として利活用しようというチャレンジです。その最初のプロジェクト「名栗の森」が、10月設立を目指し設立メンバーを募集します。実際の活動に参加されるかどうかは別にして、活動の趣旨にご賛同いただける方はどなたでも大歓迎です。最初の現地説明会を、7月10日(日)に行いますが、それに先立ち7月5日(火)の18時より笑恵館で開催することにしました。あらかじめ説明内容を発信しますので、是非ともお読みいただき、興味のありそうな方に口コミしていただければ幸いです。
このプロジェクトには狭義と広義の2つの目的があります。まず狭義の目的は、これまで放置されていた岡部さん所有の山林を様々な方法で活用すること。そのためにまずは「名栗の森」と命名し、その範囲を確定しました。実際の山には境界線などあるはずもなく、範囲の確定は当事者にしかできません。今回はたまたま人造ダム湖に隣接していたので資料がありましたが、公道などの無い山間地における民々境界はまるでわかりません。これが一刻を争う緊急課題であることを今回痛感しました。すでに山林の範囲はグーグルマップで確認できるようにしてあります。そして広義の目的は、この活動を継続し他所でも応用できる仕組み=事業にして、日本中に普及すること。恐らく名栗の森がうまくいけば、隣接する周辺の山林へと活動を広げることができると思います。そして、他所でもこの趣旨に賛同する山林所有者が現れれば、各地で山林の利活用が促進するのではないかと信じています。
山林の利活用はどのように行うか、少なくとも4つの事業方法を考えています。まずは遊ぶこと、公共の森や他人の森ではできなかったことを、所有者だけが持つ「自由な利用権」を駆使して何でもやってみます。次に自然を楽しむこと。自分の山林だからこそ、生き物や植物を採ったり食べたり育てたり、様々な楽しみ方が考えられます。そして情報を発信すること。ここは関東ふれあいの道が通る人気の登山コースで、平日でも多くの人たちが通り過ぎていきます。その人たちに向けて情報やサービスを提供しさらに拡散してもらうため、様々な展示やサービスが考えられます。そして最後にビジネスです。遊び、自然、情報などの要素はもちろんのこと、樹木の活用や販売など、かつての林業だけにとらわれない新しいビジネスの創出こそが、事業成功のカギを右ると思います。
そのために、クラブメンバーの活動は次の3つをイメージしています。まずは現地で行うべき環境整備、山林の中で様々な活動ができるよう、道やトイレなど最低限のインフラを整える必要があります。次にメンバー合意の下での事業運営、メンバー自身やメンバーが誘致した事業者による事業を実施するための体制づくりと日々の運営を行う必要があります。そして日々の情報整備、必要な情報を調査・収集すると同時に、発信して事業者や利用者を募り、事業を持続発展させなければなりません。現地の活動とメンバーの合意形成を図るため、月に一度の「活動日」を設け、原則として全員参加での「環境整備」と、情報交換と意見調整のための「例会」を開催したいと思います。そして、全体の企画・運営と広報活動を事務局として私(日本土地資源協会)が担当します。
今後の予定は下記の通り。
- 07/05(火) 18時:東京説明会(笑恵館) 以後随時開催
- 07/10(日) 10時:現地説明会(名栗の森) 11時:現地範囲確認 13時:昼食 14時:保養所視察
- 07/24(日) 10時:現地説明会(名栗の森) 11時:現地範囲確認 13時:昼食 14時:環境整備
- 08/28(日) 10時:環境整備活動 13時:昼食・例会(希望者には事業説明)
- 09/25(日) 10時:環境整備活動 13時:昼食・例会(希望者には事業説明)
- 10/23(日) 10時:環境整備活動 13時:昼食・設立総会・例会(希望者には事業説明)
現地調査、環境整備、例会などを試行しながら、随時事業説明を行い、常に新規参加者を受け入れていきます。
なお、事業説明会はどこへでも出張開催しますので、気軽にお問い合わせください。
そして、メンバーとして参加されなくても、同様の事業構築に対するアドバイスや、事業連携に関するご相談など、あらゆるお問い合わせ大歓迎です。