世界遺産と無形文化遺産の違い

【文化遺産及び自然遺産の定義 (1-3条)】

  • 文化遺産の定義の基本:  歴史上、学術上、芸術上、顕著な普遍的価値を有するもの
  • 自然遺産の定義の基本:  鑑賞上、学術上、景観上、保存上、顕著な普遍的価値を有するもの

【無形文化遺産の定義(第2条関係)】

  • 「無形文化遺産」とは、慣習、描写、表現、知識および技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品および文化的空間であって、社会、集団および場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう。 (以上wikiより引用)

今日は、埼玉県小川町で行われた「細川紙ユネスコ無形文化遺産登録記念イベント」に参加した。

その基調講演で語られた「無形文化遺産と世界遺産の違い」という話が、とても面白かった。

上記の引用の通り、世界遺産とは「文化遺産」と「自然遺産」の総称だが、どちらも「形あるもの=有形」の【普遍的な価値】を対象としているのに対し、「無形文化遺産」の定義には【価値】や【世界】という言葉は出てこない。

これは、世界遺産が客観的な対象を意味するのに対し、無形文化遺産が「人間の行為や知識」を意味するものであり、そこには国境も優劣も存在しないからだという。

特に無形文化遺産の定義の後半部分、  【・・・が自己の文化遺産の一部として認めるもの・・・】というくだりは衝撃だ。

 肝心なのは「自分が文化遺産と認める」こと。  

人間の文化には優劣もなく国境もない。

ただ、地域と人々の個性あるのみ。

私が自問する【土地資源の価値】も、素敵な景観でも、歴史的建造物でもない。

自分たちが大切だと思う「土地の営み」を指しているのではないだろうか。