社会起業と地域起業

先週スタートしたオンラインセミナーは「地域起業のはじめ方」というタイトルだ。

第1回目はガイダンスを兼ねて、「地域起業とは何か」について話をしたのだが、やっぱりというか、案の定、あまりうまく説明できなかった気がして悔いが残る。

でもそれは、「僕にはうまく説明できない」という落胆ではなく、「もっと、こう説明すればよかった」という後悔だ。

さらに言えば、実際に話をすることで初めて、うまく説明できない部分が明確になり、自分の考えをさらに明確に説明するための方法や言葉に気付いたともいえる。

それは一体どういう気づきなのか、忘れないうちに書いておきたい。

「地域起業」という言葉は、「会社でなく社会を創ること」と、言い換えることができる。

つまり、一般に「=会社を起こすこと」と思われていることに対し、「会社でなく社会を作ろう」というのが僕の提案だ。

「会社」が「起業に取り組む自分たち自身」のことならば、「社会」とは「自分たちを取り巻く周囲の人や経済や環境」のことだ。

もちろんここで言う「会社」とは、ビジネスの担い手のことであり、株式会社だけでなく、NPOなどの非営利組織や公官庁などの行政組織はもちろんのこと、個人で行う事業や活動などすべてを指す。

なぜか私たちは、会社=民間、社会=官庁という役割分担がなされていると思い込んでいるが、今回のコロナ対応を見ていると、医療を含むすべての営みが会社化されて、社会の担い手が見えてこない。

全ての自治体は、中央政府の出先機関に成り下がり、地方自治など口先だけだが、その原因は「主権者」つまり僕たち自身の怠慢だ。

だったら「社会起業」と言えばいいじゃないか・・・とあなたは思うかも知れない。

だが、「社会起業」という言葉はすでに使われていて、「社会の課題を解決するビジネスを生み出すこと」という解釈が定着している。

だが僕は、この考え方こそが現状をもたらす元凶だと確信する。

「社会の課題を解決する」とは、「課題の無い理想の社会を実現すること」のはずなのに、その「理想の社会」に関する説明やイメージは見当たらず、コンセンサスなどどこにもない。

そもそも、日本国民全体が賛同する社会の姿などあるのだろうか。

3割弱の支持率しか持たない自民党がほぼ独裁支配を続けるこの国は、6割以上の支持政党を持たない人たちの無関心と諦めで成り立っている。

そんな全体を社会と呼ぶなら、課題解決という行為そのものが、すでに形骸化している。

そこで僕は、「社会」を「地域」と言い換えて、自分自身で小さな社会を作り出すことを提案する。

社会全体の「課題という名のお題」に取り組むのでなく、そんな課題を生み出さない新たな社会を身の回りから作り始めよう!・・・と言いたい。

僕が立ち上げた日本土地資源協会では、「空き家対策」に取り組むのでなく、「空き家を生まない社会」を創ろうとしている。

つまり、課題を解決するのでなく、課題を生み出さない地域(事例)を作り、それが賛同を集め広がっていけばいいと思う。

先日のオンラインセミナーは、月曜の20時から始まって、22時に終了したが、その後30分間有志が残って振り返りの2次会を行った。

今日の議論は、そこでのやり取りから生まれた話だったので、聞きそこなった人たちにも伝えたくて書き留めることにした。

このセミナーは全4回なので、残りの3回も似たようなことが繰り返されるだろう。

「だったら、第1回の話をもう一度聞き直したい」という意見も出て、早速第2期の開催を決定した。

また、セミナーの内容について、誰でも参加できて、自由に議論できるFBグループを立ち上げた。

そして、第1期が終了したら、このセミナーの修了生が参加できるFBグループを作って、それぞれの地域づくりをサポートする予定だ。

このセミナー自体が、誰もが地域づくりを学べる仮想地域をつくる「地域起業」となるように、当分の間継続しようと心に決めた。