「永続支援」という仕事

僕は自分の名刺を外注せず、無料アプリを使って自作している。

その理由には、もちろん費用の節約も有るが、それより名刺の内容が頻繁に変化するためだ。

僕は2009年に㈱ものづくり学校を退社して以降、他人の組織や法人に就労していない。

自分で生み出した組織以外では就労せず、顧問や事務局長として組織の運営をサポートしている。

だから、支援先の法人については名刺の裏に所属法人と表記して、内容が変わるときはその日付を表記する。

現在使用中の「20190513版」には、新規サポート先の「ユナイテッドスクールオブ東京」と、「特定低非営利活動法人HOME-FOR-ALL」を加筆した。

だが、もう一つ大事な変更として、業務内容に「永続支援」を追加したので、今日はこのことについて説明を加えたい。

そもそも僕の業務は、これまで起業支援と創業支援の2つだった。

起業とは、他に無い新たな事業を生み出すこと。

進路を決めたり、合意を形成したり、事業を創出することは、本来自分の力でやるべきことだが、あえてそれを手伝う「おせっかい」を僕はやりたいと思う。

創業とは、これまでやったことのない事業に初めて挑むこと。

建築発注、土地利用、破たん処理などを初めてやる人にとって、僕のこれまでの経験が役立つのなら「用心棒」として大いに利用して欲しい。

この二つは、「あまり他の人がやらないこと」や、「僕ならではの経験を生かすこと」という意味で、まさに僕の役割だと思ってきた。

だが、笑恵館をはじめとする土地利用や所有者支援など、「現在僕が夢中になっている仕事」は、これら二つと少し違う。

だから僕は、この仕事を「起業・創業」と並べて説明できるようになりたくなった。

「永続支援」とは・・・財産を法人所有して継承する[永続化]サービス・・・のこと。

継承とは「すべてをそのまま引き継ぐこと」で、モノやカネだけでなくそこに込められた思いや、必要な技術・知識などがすべて含まれる。

そして、継承の繰り返しを願うことで、永続化を目指すことができる。

その意味で言えば、「相続」はむしろその逆で、そのままでなく分割したり、相続後は自由に売却したりと「終わり方」を意味している。

「継承という条件」を伴わない売買や、期限付きの賃貸なども、「永続性」にはたどり着けない「終わり方」の仕組みと言える。

そこで僕は、「どうしたら永続性を実現できるのか」を真剣に考えたい。

「持続可能性」とか、「サスティナビリティ」といった言葉を、ただの掛け声でなく現実化したいと僕は思う。

そのために僕は、「家族創出・事業継承・地域経営」の3つの課題に取り組みたい。

まず、財産や事業を継承する人を生み、育てる「家族」の仕組みを「法人」を活用して創出する。

血縁家族の仕組みの崩壊は、天皇家の例にとって説明済みだが、「相続」という制度はまさにこの血縁家族に基づいており、血縁に縛られない「新たな家族」を作るには、相続制度とも決別する必要があると確信する。

そして、特に「土地という財産」を継承するには、土地を資源とする事業を創出し、何もしない所有者から、働く事業者に変わる必要がある。

継承とは、事業のための知恵や技術や志を引き継ぐことであり、権利書の隠し場所をこっそり教わることじゃない。

そして最後に、地域経営を行政や企業に任せずに、所有者自身が担うこと。

僕が永続性を願うのは、世界を自由に動き回る企業ではなく、いつまでも継続すべき地域社会を放置や放棄から救うための事業に挑むことだ。

起業や創業とは、いずれも新たな事業を生み出すことだけど、その事業が目指すのは成功と継続だ。

だが、この二つを一つにまとめて「成功の継続」と考えるのは、間違いだ。

成功とは失敗の反対だが、この二つは継続でなく「終わり方」を示している。

お金を儲けたり、目的を実現することで終わることを「成功」、損したり目的を実現できずに終わることを「失敗」と呼ぶに過ぎない。

だが、「継続」とは、成功や失敗とは関係なく「終わらないこと」を意味している。

僕ら人類は、猿人→原人→旧人類を経て、約20万年前に生まれた新人類と考えられている。

現在僕たちが存在するのは、様々な成功や失敗を経て新人類が「継続」してきたからに他ならない。

だからこそ、僕たちの未来もまた「継続」が無ければあり得ない。

だから僕は「成功と失敗」に加えて、「継続と終結」という価値観を提案したい。

何を続け、何をやめるべきなのか・・・僕はこの問題に挑みたい。