あなたの夢は僕の夢

起業と破綻
僕の原点は、42歳の時の倒産経験です。メインバンクの破たんは、借金漬けだった建設会社には致命傷で、結局最終的な会社の破産申し立てまで2か月とかかりませんでした。当時は、書店にあるのは「会社をつぶさないための本」ばかりで、「会社の潰し方」は誰も教えてくれません。そこで僕は覚悟を決め、徹底的に情報開示しながら、顧客救済を最優先に破たん処理を進めました。その結果、手形を含めた下請けに対する支払いと銀行債務の大部分を踏み倒し、全社員を解雇することになりましたが、17件の未完成工事現場を完成させながら、文化と歴史を継承する新会社を立ち上げることができ、その会社は現在も無借金経営を継続しています。僕はこの経験から、起業と破綻はまさに表裏一体であり、繰り返し乗り越えるべき人生のプロセスだと気づきました。そして、破たん処理や事業創出に関する、僕に寄せられた多くの相談に応える中で、それは確信に変わっていきました。

起業と市民
やがて、僕は建設業界を離れ、IID世田谷ものづくり学校の校長としてプロジェクトの法人化に携わり、それをきっかけに、世田谷区から様々な相談を受けるようになりました。役所の財政がひっ迫する中、市民は行政サービスへの依存度を減らし、自ら助け合う社会福祉の担い手へと変化しなければなりません。そこで僕は、市民のあらゆるチャレンジを「起業」とみなし支援する事業を提案したところ、結局自ら担当することになりました。こうして僕の相談窓口が区役所内に設置され、様々な人々がやってきました。相談の内容は、いずれも事業計画や資金調達などからは程遠い、具体性のないものばかりでしたが、熱く語られる「夢や願望」を聞いているうちに、その実現を手伝いたいと真剣に思うようになりました。そして、一見掴みどころのないビジョンでも、その人のこだわりを手掛かりに構築していくことで、思わぬ新規性や革新性を見出せるようになりました。

破たんの先送り
相談者の数も増え、盛大な交流イベントを開催した翌週の2011年3月11日、東北で未曽有の大震災が発生し、東京も一気に被災モードになりました。そして翌日には福島第1原発で水素爆発が発生し、日本の滅亡すら現実味を帯びてきました。震災・津波の被害に加えて原発処理まで抱える財力など日本にはありません。僕は「日本の破たん」を確信し、即座に物件を探し始め、4月には「起業する家・アントレハウス駒沢」を開業しました。およそすべての経営者が経営破たんを想定し、それを乗り越える起業に挑まざるを得ないはず。そして、職を失う多くの人たちもまた、起業せざるを得なくなると僕は確信しました。しかし誰もそれを望まない限り、破たんは先送りされてしまうもの。アベノミクスに浮かれる人たちが、今年もまた新たな赤字国債を容認し、無責任なばらまき行政を繰り返しています。

破たん後の日本をつくる
そんな現状に見切りをつけ、僕は「破たん後の国づくり」を始めました。それは、既存の枠組みによる支援や助成を受けないあるいは受ける以前の、市民の新たなチャレンジをサポートする活動です。こうした名もなきチャレンジの中にこそ、世界を変える革命のタネが潜んでいるからです。恐らくそのことを知っている人は少なく無いと思います。でも、そのタネを蒔いて育てる作業はほとんど進んでいないのは、そもそもそのタネの持ち主が、「漠然と思い願う」だけで、実現後の世界を描かずにいるからです。どんなに素晴らしい夢であろうと、それを「具体的にイメージ」しない限り、他人はもちろん本人ですらその価値に気付けません。僕はこれまで、多くの人が自分の夢を具体的に語ることで「人々の賛同を得る瞬間」を見てきました。そしてまた、たとえ賛同を集めても具体化した自分の夢に落胆し、自らやり直しに取り掛かる人が大勢いることも知っています。まだ見ぬ未来を創るとは、そういう「報われない手探り」だと思います。

あなたの夢は僕の夢
僕は「夢が叶ったら死んでもいい」という言葉が大好きです。死よりも尊いことなんて、他にはあまり思い当たりません。そして、夢は自分だけのものでなく、みんなの夢になることも素晴らしいことです。そんな夢ならば、あなたの夢は僕の夢でもあるからです。この二つの条件を満たすなら、一つでも多くの夢を叶えることが、新しい世界をカタチ作ると僕は考えます。そのために破たんが避けられないのなら、僕は破たんでも挫折でも何でも受け入れます。やはり、「夢を叶えること」・・・それが僕のやりたいことです。でも、ここで言う夢とは、あくまで実現を目指す夢のことであり、漠然と夢見る夢は妄想にすぎません。まずは、あなたの漠然とした夢を説明可能でシンプルな具体イメージに自分の覚悟とみんなの賛同を確認する必要があります。そのために僕は、まつむら塾を始めました。あなたの願いや困りごとを、本気で取り組むみんなの夢に育ててみませんか?