善悪を作ろう

「実現」とは願いを叶えること。僕たちは[なぜ]願いを叶えようとするのか。それは、[理由と目的]があるからです。実現した後であれば、その[理由と目的]の両方を明確に説明することができますが、初めはどちらか一方がきっかけとなって実現を目指し始めます。例えば、楽しそうな人を見て自分もそうなりたいと考えるのは[目的]ですが、なぜそんなことを願うのかと顧みた時の楽しくない自分が[理由]であり、これは[目的から理由]が見つかるケースです。もちろんその逆に、仕事に追われ楽しくない日々を送るうちに、時には楽しみたいと考えるようになれば、それは[理由から目的]が生まれるケースです。

その順序はどちらでも構いませんが、普段漠然と考えている「なぜ(why)」が、[理由と目的]の2つでできていることを忘れてはいけません。なぜなら[理由と目的]がきちんと分かれていないと、それらをつなぐ「方法」を考えられないからです。実現するやり方とは、[理由]から出発して[目的]にたどり着く「行き方」のことなので、出発点とゴールを明確にしなければならないのは当然のことです。ですから「どうすればいいのかわからない」と言う人の多くが、「なかなかこの2つが揃わない」と言いますが、むしろ漠然と1つに思っている「なぜ(why)」を2つに分ければいいと思います。そのために、[理由と目的]の共通点と相違点を整理してみましょう。

まず共通点は、どちらも自分の思いということです。実際にどうなのかではなく、何をどう感じるかという個人的かつ主観的な問題です。「戦争や嫌だからやめたい」と考える人ばかりでなく「戦争は好きだからやりたい」人も存在します。したがって、当たり前とか常識と思い込み、「判り切ったこと」として決めつけてはいけません。どんなことでも「こういう訳だからこうなりたい」と明確に説明する必要があります。それに賛同したり共感する人が、その「なぜ(why)」は「正しい」と言い、そうでない人が「間違い」というだけのこと。「なぜ(why)」は、誰もが認める【現実】ではなく、あなたが提案する【定義】のようなものです。ですから、あなた自身が納得できるものでなく、ふと思いついた【仮説】でも構いません。それが実現に値する願いかどうかを判断するのは、試しに発信し、他人からの評価や反応を見てからでも遅くはありません。

そして相違点は、善悪です。[理由が悪]で、[目的が善]。実現とは、悪から善への道のりだと考えてもいいと思います。善とは良いこと、好きなこと、正しいことのこと。その反対に、悪とは悪いこと、嫌いなこと、間違ったことです。これ以上哲学的な説明はしませんが、あえて言うならば「肯定と否定」です。出発点とは、そこを否定して抜け出す場所で、到着点はそこを目指して認める場所というイメージです。ですから大切なことは、[理由と目的]とは「互いの何かが逆であること」であり、そのどちらが良いかはあなたが決めればいいことです。例えば「今の幸せがこれからも続いて欲しい」と言うと、理由も目的もどちらも幸せのように思えますが、よく考えるとそんなはずはありません。今の幸せがいつまで続くか不安だから、「続いてほしい」と願うのです。ですからこれは、「いつまで続くかわからない今の幸せ(理由)を、いつまでもずっと続く幸せ(目的)にしたい」とすべきです。

こうして、あなたの「なぜ(why)」を「理由と目的」に分けて、これから挑む実現の出発点と到着点を明確にしてみましょう。そして、出発点を「悪」、到着点を「善」として、あなた自身が考える「善悪」をはっきりさせましょう。(まつむら塾 A1理屈編 2理系と文系 より引用しました)