naguri

6月22日は、名栗の森のオーナーOさんと一緒に飯能・名栗の現地調査に行ってきた。主な目的は、①およそ判明した所有山林の位置の確認、②山林内での活動の制限に関する確認、③山林周辺の施設との連携可能性の確認だ。オーナーシップクラブの告知開始を来週に控え、この3点の確認は欠かすことができないと判断し、現地説明会のチラシ(案)を携えて、飯能のまちと名栗の森を走り回った。僕は新事業を立ち上げる時は、分厚い企画書やプレゼンデータを作るのでなく、HPとチラシを最初に作るのだが、今回もいきなりもっともらしいチラシを作成し、それを見せながら話を進め、受け取ってくれるところにはそのまま置いてきた。けげんな顔をされたり、興味津々だったり反応は様々だが、やはり印刷物・活字の力はものすごい。おかげで多くの情報収集と根回しができたので、その顛末を報告したい。

まず初めの目的は、「①およそ判明した所有山林の位置の確認」だ。我が国の民有地は公図に基づいて登記されているが、特に山間地では道路などの目印が無い上に、この「公図」がいい加減なので、多くの所有者が自分の所有地を把握していない。名栗の森オーナーのOさんも、誰からも所有林の範囲を引き継いでおらず、公図だけを手掛かりに途方に暮れていた。しかし、名栗湖は有馬ダムで作られた人造湖なので、ひょっとして開発時の資料があるのではと思い国会図書館で調べたら、なんと名栗湖周辺だけ地番の入った住宅地図(ブルーマップ)が見つかった。今回はそれを基に、ダムを管理する「県土整備事務所」を訪ね、ダムと山林の位置関係を確認した。すると、名栗湖周囲の道路は、県が作って市に移管したことが分かり、続いて訪ねた市役所道路公園課で「道路台帳」をゲット、名栗の森が名栗湖を周回する市道に接することを確認した。残りの隣地境界は、尾根や谷などを手掛かりに現地説明会をやりながら確認したいと思う。

次の課題は「②山林内での活動の制限に関する確認」だ。僕は起業しようとするなら「初めに制約や規制を調べるな」といつも言ってるが、それは都会の街中で常識を守るのは当たり前・・・という前提だ。しかし、山林を所有したこともない僕にとって、山で何ができて何ができないのか、そんな常識などまるで想像もつかない。そこでチラシに次のことを書き込んで、関係者にこれを見せることにした。

【私が”名栗の森”でやってみたいこと。】

a.ここから木材を出荷できるのなら、やってみたいと思います。

b.登山者向けのサービスや情報発信を行う場所になってもいいと思います。

c.森の農業 山菜・キノコの栽培など、できないものかと思います。

d.遊んだり学んだりする活動や、ツリーハウス教室などができたらいいと思います。

a.については、森林組合の担当者が熱く語ってくれた。基本的には、所有者の売りたい木を売り、植えたい木を植えてよい。しかしその収支を合わせるためには、伐採方法や搬出入計画などが必要だ。また、水源地なので国と調整も必要だ・・・と。b.c.d.についても同様に「原則として所有者の自由」だが、何をやるのか決まったら、必ず相談に来てほしい・・・とくぎを刺された。

そして「③山林周辺の施設との連携可能性の確認」のために僕らは現地に向かった。そもそも現地で活動する際の集合場所や食事・打合せの場所など、山林以外の拠点を確保する必要がある。道すがらOさんと昔話になり、「子供のころは、毎年おばあちゃんの家に遊びに来た」と言うので、「それってまだあるんですか?」と聞くと、「今は会社の保養所になってるが、誰も使ってないと思う」とのこと。こらこら、早くいってくださいよ・・・と場所を思い出してもらい、道すがらその保養所に立ち寄った。行ってみるとそこは名栗川の川岸に立つきれいな建物で、どうやらしっかりリフォームしたらしい。露天風呂まで作ってあるので、是非とも会社に掛け合って、使わせてもらえるよう頼んでもらおう。さらに進んで名栗湖畔のレストハウスに来てみると、火曜日定休のはずが水曜日も締まってる。少し先のカヌー工房を訪ねてみると、指定管理者のNPO責任者がいらして「やっと認定NPO法人になったんですよ」と得意顔だ。さっそくチラシを手渡して、今後の連携をお願いした。最後に森の入り口まで乗り付けたが、雨上がりでなので山歩きはやめにした。

最後に話を整理しよう。結論から言うと、「山の所有者は何でもできる」ということだ。「もちろん、山の資源や安全を守るため、やってはいけないこともたくさんあるが、それはその都度一緒に考え、クリアしていきましょう」と僕には聞こえた。さらに市役所で言われたことは、「地元の人の言うことをあまり気にせず、よそ者のアイデアでどんどん提案してください」と言うことだった。もちろん僕は、この言葉を鵜呑みにせず、現地の仲間を誘うためあれこれ作戦を立てている。でも、僕たちが遊休土地資源を活用するのは、「地元のため」などでなく、「所有者のため」だということを忘れてはならない。「所有者だからできること」を生み出すことが、このチャレンジだ。そして同時に「所有者の仲間」を増やしていくことでそれを広げていきたいと思う。

7月は10日(日)と24日(日)の現地説明会のほか、笑恵館でも事業説明会を随時開催する。

これまで「他人の山」しか歩いたことのない人、「自分の山」を歩いてみませんか?

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