A.実現学とは

新規事業の創出や新会社の設立、はたまた破たん処理のサポートから、個人起業のアドバイスに至るまで、支離滅裂ともいえる多様な取組を経て、開き直った僕は数年前から「起業支援活動家」と名乗るようになりました。「実現学」とは、そんな僕が自ら編み出した学問というより発想法のようなものです。

はじめに

実現とは、自分の「願いを叶える」ことであり、「願いが叶う・・・まぐれやギャンブル」とは違います。あらかじめ目的を描いてからその実現に挑むので、自分自身で成功を定義することになります。したがって、実現のイメージが具体的であればあるほど、成功の価値やその波及効果が見えてきます。その結果、広く関心を集めたり、賛同者や協力者を募ることができれば、実現の可能性も高まるでしょう。

ところが、とかく新しい夢は具体性に乏しく曖昧で、不備や不足だらけになりがちです。余分なものを削るのはたやすいが、足りないものを見つけるのは難しいことです。せめて、新たなイメージの完成形が漠然とでも描ければ、補うべき不足が見えてくるかも知れません。そこで僕は、何かが実現した時に完成するはずの「全てを網羅した表」を作ろうと考えました。その表を可能な限り埋めていけば、残った項目が自分の不足や弱みを知らせてくれます。そして、すべての欄に答えを埋めてその表を完成させれば、新たなビジョンの全体像が見えるはずです。

そんな私が目を付けたのは、5W1Hと呼ばれる6つの疑問詞でした。言葉は世界を描くための道具なので、疑問詞はそのために必要なすべての疑問を網羅しています。一方で、すでに実現していることならば、いかなる疑問にも答えることができるはずです。ならば、全ての疑問詞を役割ごとに整理して、あらゆる物事を説明できる世界を網羅する表を作ればいい。これから挑む実現イメージについて、答えられない空欄を埋めることが、イメージ作りの道標となるはずです。

■実現チャート

こうした発想から「実現チャートの原型」が2006年に誕生しました。

当初は「起業マインドサイト」と名付け、IID世田谷ものづくり学校などでワークショップを開催しましたが、その後アントレハウスプロジェクトで引き継いで「実現学」というメソッドにたどり着きました。

領域疑問詞意味分類品詞内容
自分の疑問Whatなに思考名詞実現イメージの名前
Whyなぜ感覚形容詞目的、理由
 Howどう行動動詞方法
世界の疑問Whoだれ人間名詞関係者とその役割
Whereどこ空間形容詞現場、背景の様子
Whenいつ時間動詞シナリオやスケジュール

実現の規模は様々で、たった一つの作業手順から、壮大なプロジェクトの全体まで、何でも構いません。まずはじめに、自分が目指す実現イメージを、自分の疑問と、世界の疑問に展開します。そして、チャートの空欄を埋めていくことで、実現の様子が具体的に浮かび上がってきます。あとは、そのイメージがあなたの願いと一致しているかどうか、あなたの心に確認します。自分の願いと世界の願いが一致した時、その願いはみんなの願いとなって歩き始めることでしょう。

■カリキュラム

この仕組みを利用して、実現学では次の4つの講座を実施しています。

  1. 起業編
    実現チャートの仕組みと使い方を学びながら作成することで、新しい実現イメージを描く
  2. 交流編
    実際にコミュニケーションしながら実現チャートを作成することで、実現イメージを具体化する。
  3. 地域編
    地域社会に当てはめながら、実現チャートを作成することで、事業イメージを具体化する。
  4. 創業編
    講師の経験談を聞きながら、実現チャートを作成することで、事業イメージを具体化する。

新しい挑戦(起業)と初めての挑戦(創業)、自分の挑戦(交流)と世界の挑戦(地域)を網羅することにより、5×4=20の切り口から、あなたのチャレンジを触発します。

4講座・各5回(講座単位での受講をお勧めします)

A1.起業編 全5回

「言葉」は、世界と自分の関係を説明するために人間が作り出した最高の道具です。考えるための言葉「疑問詞」を手掛かりに、世界の構造を探りながら、自分で新たな世界を構築するヒントを模索します。

A2.交流編 全5回

「交流(コミュニケーション)」だけが自分を知るための手段であり、自分のことを教えてくれる書物や教師は存在しません。「交流」のプロセスの中で自分の願いや覚悟と向き合い、計画や理想の適否を確認します。

A3.地域編 全5回

「地域(社会)」とは、あなたの計画や理想が実現する範囲のこと。実社会に対し及ぼし合う影響や求めあう必要性と、その結果として世界における社会の位置づけや役割がどうなるかなど、周囲との関係を考えます。

A4.創業編 全5回

「経験」とは、実現や偶然を一度体験することで得られる、「次の実現に役立つ知識」のこと。自分にとって初めてのチャレンジ(創業)でも、経験者や先行者がいるのなら、求めてその経験を学び実現に役立てます。

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