近頃「トラスト(trust)」という言葉が、僕の脳内で暴れている。
それはもちろん、MNさんという若者から、突然「コミュニティランドトラスト」をご存じですかと問われたことがきっかけだ。
僕が取り組む「土地の資源化」は、決して新たに創出したものでなく、笑恵館オーナーのYTさんからの相談に応えようと様々な既存の取り組みを調べ試した結果、ようやくたどり着いた結論だ。
YTさんの願いは、自宅を地域に開放し、敷地内のアパート住人と緩やかに家族になって、地域社会のささやかなコミュニティ拠点(みんなの家)になれたなら、自分の死後も相続などで敷地を分割せずそのまま継続して欲しいというものだ。
そこですぐに思いついたのは、相続から解放されるには、YTさんが寿命ある個人から不死身の法人になればいいという極めてシンプルな発想だ。
非営利型の一般社団法人なら、持ち分の定め(持ち株など)が無いので相続とは関係なく、NPO法人と違って誰でも自由に作れる仕組みなので、あとは目的にふさわしい名前を付ければいい。
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そこで最初に思いだしたのが、柿田川などの保全に取り組む「日本ナショナルトラスト協会」だ。
この団体が取り組むイギリス発祥の「ナショナルトラスト運動」は、文化財や自然環境のような国民的財産を保全する公益事業だが、僕の取り組みは普通の暮らしや生業の場を永続させる私的な事業なので、「ナショナル」とは呼びたくない。
また、「トラスト」の訳語である「信託」は、「信託銀行」や「投資信託」など財産や金融用語として認識され、「ファンドトラスト」はまさに「年金基金などの運用」を示すなど、「トラスト」は財産を預ける人を信頼する意味で使われているのだが、信頼は保証ではなく、失敗リスクを伴うので、大切な財産を託すからには、せめて裏切りだけは排除したい。
そこで「自分で自分に預けること」こそが裏切らない信頼と考えた僕は、「土地を分割・売買する資産でなく、いつまでも使い続ける資源にしたい」という願いをそのまま法人名にした。
だが、「土地資源」という言葉は一向に普及せず、どうやらこの命名は間違いだったのかもしれない。
大切なのは、土地を売り買いできないようにすることで、信頼できる人に託す意味の「トラスト」に思えてきた。
という訳で、一旦自分の思い込みを脇に置き、様々な「トラスト」の全体像を俯瞰しようと思い立ち、「トラストの種類」とAIに訊ねてみたら、次の答えが返ってきた。
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「トラスト(Trust)」は、分野によって全く異なる意味を持つ言葉で、大きく分けて「信頼・信用」「信託(財産管理)」「環境保全」「企業合同(独占)」の4つの文脈で使われます。
それぞれの主な意味と具体例は以下の通りです。
1. デジタル社会における「トラスト(信頼・信用)」:ITやAI、ネットワーク上での安全性やデータの正確性を保証する概念。
具体例:「ゼロトラスト(何も信用しないことを前提としたセキュリティ対策)」や、電子署名や認証技術で相手の本人性を証明する「デジタルトラスト」など。
2. 資産運用・財産管理の「トラスト(信託)」:自身の財産(不動産や金銭)の管理・運用を信頼できる第三者に任せる仕組み。
具体例:資産の管理を目的とした「信託銀行」や「投資信託」、富裕層などが相続や事業承継のために活用する「ファミリートラスト」など。
3. 環境保全の「トラスト(活動)」:貴重な自然環境や歴史的な建造物を、寄付金などで買い取り、保全していく市民運動。
具体例:日本国内でも環境省の支援のもと、絶滅危惧種の生息地などを守る活動が行われています。
4. 経済・歴史用語の「トラスト(企業合同)」:市場を独占・支配し、利益を最大化するために同業の複数企業が一つにまとまること。
具体例:19世紀後半のアメリカでスタンダード・オイルなどが形成したものが有名です。現在では独占禁止法によって厳しく制限されています。
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こうしてみると、確かに4つの分類は「トラスト」に「信用・信託・活動・企業合同」と4つの訳語を割り振っている。
存在を問われた「コミュニティランドトラスト(CLT)」は、明らかに「ナショナル」に対する「コミュニティ」が土地と建物を分離して、土地のみを法人所有する「土地信託(ランドトラスト)」というわけだ。
この仕組みが「コミュニティ(自分たち)」という点で我々「日本土地資源協会(LR)」と類似するが、LRは、土地に付随するあらゆる資源を「所有と使用」に分離して、「所有」のみを「共有(総有)」する「所有信託」と言えるのかもしれない。
さらに「3.トラスト(活動)」について調べると、トラスト団体と対象地(または建造物等)の所有者が契約を 結び、所有者がその対象の保全を約束することで、多くの場合団体側がその対価として地代を支払い、その結果として寄付につながると言う。
このプロセスは、まず所有権賃貸から始めて結果として所有権の譲渡(寄付・遺贈)につながるLRの仕組みによく似ており、ナショナルトラストに対する当初の違和感は、むしろ親近感へと変化した。
こうして様々な顔を持つ「トラスト」という言葉を俯瞰すると、すべての面でLRが目指す概念と重複し、LRは「所有信託」と言い換えられると気が付いた。
今日はここまで、続きは行動してから報告するのでお楽しみに。