日本の国土全体は、主権者である日本国民が領有しているが、政府が管理運営する「官有地」と、国民に貸し付ける「民有地」に分けられる。
すべての土地は不動産登記法に基づいて登記が義務付けられているが、相続時に変更登記を怠る「民有地」だけでなく、納税の必要がない「官有地」もまた、未登記のまま放置された土地も多いようだ。
政府は国と地方自治体に大別できるので、「官有地」は「国有地」と「公有地」に分類されている。
「国有地」は国土の約5分の1を占め、大半は林野庁が管理する国有林(森林経営用財産)だが、その他は「公有地」と同様に道路、河川、公園に加えて行政機関の庁舎、宿舎、学校、図書館など公共施設用地も含まれる。
ただ、これらは「行政財産」と「普通財産」に大別され、未利用地は一般競争入札などで売却される。
一方、「民有地」は「法人所有」と「世帯(個人)所有」に分類され、その他は「水・道路等」と「不詳」に分類される。
「法人所有」と「世帯所有」は、評価額に応じて固定資産税が課税され、「水・道路等」は公用地として課税されず、「不詳」は北方領土及び計算誤差を指す。
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これらを所有者別の6つに分類した面積を国交省の「土地基本調査総合報告書」から転載するが、これは様々な統計資料を寄せ集めて作った推計値であることを知って欲しい。
つまり、日本政府は国土の所有状況を把握する部署を持たず、その意志を持たないことを示している。
表1-2 所有主体別国土面積(平成20年推計)
| 所有主体 | 面積 | 割合 |
|---|---|---|
| ①国有地 | 7.84万㎢ | 20.7% |
| ②公有地 | 3.09万㎢ | 8.2% |
| ③法人所有 | 3.55万㎢ | 9.4% |
| ④世帯所有 | 19.11万㎢ | 50.6% |
| ⑤水・道路等 | 2.68万㎢ | 7.1% |
| ⑥不詳 | 1.52万㎢ | 4.0% |
| 合計 | 37.79万㎢ | 100.0% |
なお、2022年に発刊した拙著「地主の学校」のp.119に、「民有地約16万㎢」とあるのに対し、この表では③と④併せて22万㎢となっているが、ここではこの値を採用する。
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さて、今日は上記の表に基づいて、日本がどんな国かを説明したい。
まず、はじめに書いた「国民が国土を領有している」について、あなたの認識を確認する。
これは、日本国憲法にも書かれていない不文律だが、世界の常識として共有していただくとともに、これに基づいて今日の議論をスタートする。
この「領有」を、「分割できない共同所有=総有(そうゆう)」と言い換えて、国民全員が所属する組織を「国」とする。
領有する土地のことを領土と言うように、「国民」が総有する土地を「国土」と言う。
「国土」は上記のように「官有地(①と②)」、「民有地(③と④)」、「その他(⑤と⑥)」の3つに分類し、国民は「民有地」を自由に使用して、「官有地」と「その他」の管理運営を政府という非営利法人に委任している。
なお、政府は国土全体と外交を担う「日本政府」と、地域の独自性に対応する「自治体」で構成され、「官有地」の管理経費を賄うための固定資産税は、「民有地」の使用料として「自治体」が「民有地」を所有する「法人」や「世帯(個人)」から徴収する。
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こうした目線で、日本という国を見直すと、様々な現状が理解できる。
「民有地」には所有者の許可が無ければ入ることすらできないのに、「官有地」や「その他の土地」には誰でもは入れるのは、そこを全国民が総有してるから。
民有地は公共の道路に2m以上接しなければ建築ができないのは、道路を介して公共サービスが提供できないから。
所有者が死ぬたびに相続税が何度でも課税されるのは、民有地の所有が固定資産税相当の地代を払う賃貸(借地)なので、名義書き換え料に相当するから。
「国」を担う組織(法人)を「国家」と言うのは、江戸時代以前は「家(制度)」が継続する法人の役割を担ってきたから。
つまり、「日本」は「官(国と自治体)」が道路や川と諸施設など所有する「官有地(公共インフラ)」を介して、「民有地(国民)」に必要な共通サービスを提供する「非営利不動産事業」に他ならない。
原則として国債発行を禁止する中で、将来の財政力向上に資する「土地資産」に限定し、将来世代も負担を共有するという考えから「建設国債」だけが例外的に認められているのもそのせいだ。
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そんな中、僕が始めた「国づくり」とは、この仕組みの永続化が目的で、制度の変更は必要とせず二の次なので、すぐに着手することができるしもう始まっている。
土地の個人所有を辞めて非営利法人の所有に移行するのは、まさに行政サービスへの依存からの脱却を目指す、自立=自由への取り組みなので、現代社会の行き詰まりを打開する新たな選択肢として提案したい。
固定資産税相当額の地代で土地をサブリース(転貸)する「非営利地主業」こそが、現状社会制度の中で誰もが簡単に堂々とできる「国づくり」だ。