夢の描き変え

LR(一般社団法人日本土地資源協会の略称)の定時総会を間近に控え、準備が大詰めを迎えている。
今回は特に、大きな改変が幾つもあり、皆さんの予定をやりくりして確保した30分の中にどう納めるのか頭が痛い。
そこで今日は、その準備を兼ねて、ここで論旨をまとめたい。
今回改編の概要は、定款改定、役員選任、会計方式の改変で、法人組織全体の生まれ変わりにほぼ等しい。
特に、定款第3条「目的」の変更は、「目的」を共有する人の集まりである法人にとって、まさに「夢の描き変え」とも言える。
また同時に「目的」は、善悪や成否を判断する基準であり、仲間が集まる旗印つまり出発点でもある。
なので、主要メンバーの顔触れや会計の仕組みを変えるのも、全てが目的変更に起因し帰結すると言えるだろう。
というわけで、まず結論から、整理したいと思う。

従前の定款では“空き家や耕作放棄地など「個人資産」として保有されているために放置されている国土を、「公的資源」として保全・活用する方法を模索・実行すること”としていたところ、「模索・実行」の結果として次の通りに改定する。
第3条 (目的)
当法人は、土地を分割や売却を前提とする資産でなく永続的な資源として、共同所有や法人所有による総有を促進し、利活用収益をもってその利用価値を高めることで、地域社会の健全な発展に寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
この中から、会員に伝えたい核心部分を抜粋すれば、「公的」を排除して「共同所有や総有」としたことになるだろう。
ここで言う「公」とは、「全体・すべて」を指すイメージだが、その実態は「すべてを包含する」でなく「その他を排除・無視する」なので、その排除をここに宣言したい。

次に、この目的変更から派生して、どのような変化が生じたのかを整理しよう。
まず、LRが取り扱う土地資源が、これまで笑恵館1件だったのが、笑恵館・みんなの裏山・名栗の森・ふきの庭・一宮庵・土佐の家(仮)の6件に拡大すること。
これに伴い、役員を増員して、全ての土地資源に担当理事を配置する。
そして、全ての土地資源が、独自の運営組織を立ち上げて、LRの事業部門として利活用に取り組めるよう、定款に「事業会員」を規定するとともに、全て事業の収支と正味財産を独立管理する会計システムに移行する。
これに伴い、笑恵館クラブや名栗の森オーナーシップクラブなど既存の任意団体は、その会計をLRの部門会計に移管して、その他の事業は独自コミュニティの立ち上げに取り組むこととする。
現在僕が支援中の「ふきの森倶楽部」は、まさに仕組みを利用して3月1日の発足を目指している。

以上を冒頭で伝えた上で、定款変更、前期の活動・決算報告、役員の選任の3件の議案をテキパキと処理して、可能な限り今年度の計画・予算の話に時間を宛てたい。
伝えたいことは、もちろん「仲間の増やし方」に関する次の3点だ。
1.情報は常にWEBサイト・SNS・チラシなどを駆使して広く告知するが、勧誘はあくまで紹介・口コミなどの人づてで行い、必ず対面で夢の共有を確認すること。
2.利用者、参加者、支援者などの賛同者には、必ず「利用会員」として入会していただいて情報共有できるようにすること。
3.さらに、自ら居住したり、運営や経営に参加・従事する人には、「共有会員」として会費を負担していただきながら、必要な賃料や報酬の授受を行い、定款に定める目的を共有する当事者となって、多数決でなく全員一致方式で運営するコミュニティを生成すること。
つまり、我々が挑む小さな国づくりは、独裁者を生む多数決でなく、誰も排除しない国連のような世界を目指したい。

以上この場を借りて、2/26(水)13時よりふきの庭で開催予定のL「R定時社員総会」への準備をさせていただいた。
今後はさらに真剣に、土地資源(土地と付随する建物などすべて)の後継者を求める人、後継者になりたい人、そういう人を支援したい人や組織の皆さんに、この話を伝えたい。
個人とか、公共とか、お金とかからいったん離れ、夢を分かち合う仲間づくりで解決しよう。
というわけで、今日も話はアチコチ飛んだが、タイトルは「夢の描き変え」に着地した。