小さな国のお留守番

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地主の学校を予定通り8月中に書き終えた。書き終えたと言っても、最後のページまでひとまず書いたというだけで、読み直すと直したいところだらけだが、それでも〆切を守ってとりあえずやり遂げた。そして、引き続き内容を整理し、判りやすく面白くすることや、出版社を探して売り出すことなどやるべきことはたくさんあるが、もう一つ大切なことを思いついた。それは、これまで取り組んできた起業支援に加えて、本格的に「国づくり支援」を行うこと。たぶんこれこそが僕の目的で、本を作ったのはその手段に過ぎない。だが、このアイデアが生まれたのはこの本を書くプロセスでの出来事であり、本を書くことがこんな形で自分のためになるとは、想像もしていなかった。

 

起業が新たなビジネスを生み出すことであるように、国づくりとは新たな国を生み出すチャレンジだ。ここで言う「国」とは土地や地域のことだが、「町や村」と呼ばないのは、世界を相手に自由に発想するためだ。世界は多くの国や地域で出来ているが、そこには何の規格も基準も存在せず自由な自己申告制だ。だから町でも村でも、ご近所でも一軒の家でも、国になれない決まりはない。もちろん国として独立するには、周辺諸国の承認が必要なので、頭の固い日本政府を口説けるとは思えないが、別に正式に独立しなくても、やりたいことをやればいい。結局「地主の学校」という本は、国づくりのマニュアルのような内容になってきた。

 

国づくりの目的は、そこを永続的に良い場所にすること。一般的にビジネスは、永続性を求める必要は無いが、国づくりは土地の魅力を作る取り組みなので、土地とともに永久に続かなければ意味がない。僕の居場所・笑恵館では、建物の無料開放、交流の促進、そして500円の入会金で家族になれる会員組織に所属できる。これまで「笑恵館は何ですか」と尋ねられても、僕自身的確に答えられずにいて、「民営の公民館」とか、「本格的な住み開き」などとごまかしてきたが、これから僕は「小さな国づくり」と堂々と答えたい。そしてここから、国づくりの普及活動を始めたい、

 

国とは土地のこと、だから土地所有者がいればすぐに始めることができる。自分の土地を国にするのであれば、所有者が地主になれば良い。地主とは王のことなので、地主の許しがあれば何でもできる。もしもあなたの土地が小さければ、近所の仲間を誘って連合国や連邦にしてもいい。もしも土地が遠方にあるのなら、近所の人を大臣にして協力してもらえばいい。そして、あなたが所有者でなければ、国を作りたい場所の所有者を説得して王になってもらえばいい。所有者は個人でなくても構わないので、むしろ団体や会社が事業を行いながら国を作るのも素晴らしい。ちなみに笑恵館では賃貸アパートなど所有者の収益はすべて国の運営に使っており、オーナーは常駐管理人として働いていて、今やご近所でも有名な働き者の女王だ。

 

そんな女王が、先週末からピースボートに乗って世界一周の旅に出た。留守中は、事務局の僕と、せたがやブレッドマーケットのO夫婦が中心となって、留守番シフトで対応する。そんなわけで、今日から僕は下記の時間は必ず笑恵館で作業することになった。

月曜日9時~18時
木曜日13時~19時
土曜日9時~18時

木曜日は、笑恵館に関する会議や業務に負われてしまうが、月曜と土曜は比較的時間があるので、皆さんのお越しをお待ちしている。東京・世田谷の一軒家で始まった小さな国づくりプロジェクトを、ぜひ見に来て欲しい。そして、あなたの国づくりプランを聞かせて欲しい。