ゴールのイメージ

我が国の土地は個人所有が認められているが、同時に固定資産税と都市計画税の納税が義務付けられている(以下この2つの税を合わせて固都税と呼ぶ)。

固都税の滞納が続くと督促状が送付され、差し押さえのため預金や収入などの調査が行われる。

督促を放置していると、預金などが差し押さえられ、それでも足りなければ土地そのものが差し押さえられる。

それでも滞納を続けると、最終的に土地が競売にかけられて、落札金額から滞納分と遅延金が差し引かれ、土地を失うことになる。

つまり、取得金額相当の敷金と、固都税相当の賃料で国から賃貸しているのが、日本における土地所有の実態だ。

そう考えると、土地相続の実態も見えてくる。

相続税の最高税率は55%となっているが、これは所得税の最高税率45%に地方税≒10%を加えた分に相当する。

一見、所有権という財産を譲渡される相続人から、譲渡所得分の所得税に思えるのも無理はない。

だが、相続のたびに売却するのならいざ知らず、売却せず次世代に引き継ぐたびに55%も取られるのは、譲渡所得に対する課税とは思えない。

そこで先ほどの「日本の土地所有は実質賃貸」という実態を考えれば、この相続税は、賃貸契約の名義書き換え料に他ならない。

つまり、所有者が得るかもしれない売却益以外の収入=使用収益に対する課税だと考えられる。

だとすれば、現在の相続制度において土地は「相続税相当の収益を上げることを前提としている」ことになる。

これは絶対におかしい。

まず第一に、どこをどう調べても、そんなことはどこにも書いていない。

もちろんそんなことを要求する政府も悪いが、そこに異議を唱えない国民だってかなりおかしい。

だが、本質的におかしいのは、国民が異議を唱えない理由が「疑問すら感じていないこと」ではないだろうか。

相続税すら払えないような土地は相続する資格がないのだから、売却してでも相続税を払うべきという考え方は、僕には到底理解できない。

さらに言えば、土地への愛着や経営手腕に関係なく、配偶者と血縁者に均等に配分するということは、土地を単なる分配可能な財産と考えている証だろう。

分配可能な財産の所有が、実は国からの賃貸で、相続という名の「契約名義人書き換え」に高額な書き換え料を要求するなど、理不尽な制度だ。

だが、この制度がまかり通っている最大の理由は、大多数の人にとって、すでに土地は世代を超え継承することで守るべき資源ではなく、不動産という安定資産に過ぎないからだ。

そこで僕は、この問題に立ち向かうことにした。

なぜなら僕は、多数決が大嫌いだから。

多数決とはタダの人気投票で、民主主義とは程遠いのに、「これこそが民主主義の基本だ」と言わんばかりの欺瞞や思い込みが恐ろしい。

さらに言えば、多数決の結果をルール化し、疑問どころか賛否すら排除して、何も考えない服従を求める手口も許せない。

だから僕は、あえてルールに異を唱えるよりも、ルールが成立する前提条件を変えること、つまり、僕たち自身が考えて、自分たちの考え方を変えることに挑みたい。

相続制度の矛盾は、土地の利用収益を得る利用者に対する課税を、所有者に課することだ。

つまり、「自分が所有する土地資源を自分自身が利用する」ことを、個人所有の前提としている。

確かに、経済行為を行うことで利用収益を上げることは民有地の大切な役割だ。

だが、これから経済活動に挑む人を育てたり、参加できない人を支援することも必要だ。

こうした福祉分野を、行政が担うべきという勘違いこそが、今国家の財政を破たんさせている。

だが僕は、(しょうけいかん)のおかげで、土地の所有と利用を分離することにたどり着いた。

所有は、非営利型の一般社団法人に委ね、世代を超えて継承者を育てることで相続から脱却する。

そして利用は、この法人から固都税相当の賃料で土地資源を賃貸して利用する。

全ての利用者は法人に所属することで所有者の一員となり、自分で自分に貸す「賃貸型所有者」になる。

この非営利法人=国、法人メンバー=国民、法人の所有地範囲=国土と考えれば、僕たちは小さな国を作り出すことになる。

もちろん真の土地所有者は日本政府のままだが、そこから不死身の非営利法人が永久に土地を借り受けて、個別の利用者に固都税相当の賃料で転貸(また貸し)する。

そして、すべての賃貸利用者は、法人のメンバーとして土地を所有するのだから、この時、法人とメンバーとの関係は、国と国民の形と相似となる。

僕の言う「」とはこのことであり、日本という国を壊したくも、乗っ取りたくもない。

ペリーの黒船に驚いて、天皇のもとに廃藩置県という大合併を成し遂げることで、日本の独立を守り抜いたことはすごいことだと思う。

でも、戦争と決別し、民主主義を目指すなら、国民すべてが主=王となる国づくりをしてはどうだろう。

これが僕の目指すゴールのイメージだ。

実は先日カミさんから「結局あなたの夢は何なの?」と訊かれ僕はドキッとした。

そこで、カミさんにきちんと答えるため、今日は頭の中を整理した。

個人所有の自由な土地を、非営利法人という小さな政府で所有して、独自のルールで運営する小さな国=地域づくりに、僕は挑みまくりたい。