オフレコの真実

オフレコとは、談話などを公表しないこと、もしくは非公式なものとすることを指す報道用語。

英語: off the record(記録にとどめないこと)に由来する(wikiより)。

先日僕は、突然思い立ってFacebookの非公開グループの機能を使って「オフレコ会」を立ち上げた。

内容はもちろんオフレコだ・・・だがいくら何でもそれじゃ不親切だと思う。

そこで今日は、僕の考えるオフレコについて、少し話をしたい。

Wikiの説明にもあるように、オフレコとは記録に残さないことを言う。

僕がこの言葉を始めて意識したのは、今から十数年前のHさんとの出会いだった。

カプラーの交流会にやってきたHさんに自己紹介を求めると「僕は鉱山業を営んでいます」という。

この発言に、一同目を丸くして「それはどこですか?、何を掘っているんですか?」と矢継ぎ早に問いただすのだが、本人至って冷静に、淡々と答えてくれた。

僕たちはすぐさまWebで検索し、彼の話の裏を取ろうとした。

すると、確かにその鉱山や会社は存在するが、それらの社長やオーナーに関する情報はどこにも載っておらず、彼の言うことを裏付ける証拠はなかなか見つからない。

そんな様子を眺めながらHさんは「皆さん、僕の話をインターネットで調べても無駄ですよ」と笑うばかり。

そして「別に、宣伝する必要も開示の義務も無いのだから、そもそもWeb上の情報は、自己申告のお手盛り情報だしね」と付け加えた。

当時の僕は、この言葉をにわかには信じられなかった。

確かにWeb情報の真偽を確認するのは難しいが、Hさんの話の真偽を確かめるのはもっと難しい。

そこで僕は、当時まだ大学院生だった息子に頼んでWebに強い若者を集め、Hさんの話の裏を取る「オフレコ塾」というイベントを開催した。

参加者がHさんの話に対して自由に質問し、その場でWeb検索をして裏を取る試みだが、以外にもHさんは快く引き受けてくれた。

そしていよいよ当日は、和風スタジオになる前の天野家に10名ほどの若者が集まり、Hさんの自己紹介から始まった。

そして、僕の誘導でHさん所有の金山の話、学生時代上場企業の最年少社長、東宝映画の端役出演、通産省では先日亡くなったT.Sさんの部下として食べた女体盛、しまいには皇室との関わりなど、すごい話が飛び出した。

だが、それらの話のどれ一つとしてWeb検索では見つからないどころか、そんな話題すら見つけることができない。

はじめは根掘り葉掘り細かい質問をしていた若者たちも、次第にむなしい検索は辞め、Hさんの話に聞き入るようになってしまった。

そこで僕たちが辿り着いたのは・・・

気づき:Web上の情報は、世界のごく一部に過ぎない ということだ。

僕たちの目に見えているのは、あくまで記録され、公開されている情報に過ぎず、世界の大部分は見えない「オフレコ情報」で出来ている。

膨大な情報が溢れているのは確かだ、僕ら自身の容量が小さいことも忘れてはならない。

情報の無いオフレコの世界の存在を知ることこそが、自分を大きくする方法ではないかと僕はその時気が付いた。

先日、そんな気付きを思い出させてくれる出会いがあった。

それは、友人のI君がFBに投稿した「退職のあいさつ」だった。

彼は、職場への不満を漏らしつつも、周囲への感謝を述べながら退職の報告をしているのだが、その後のことについて記述がなく、「とりあえず無職」になったのかと思っていた。

そこで僕は、彼を勇気づけると言ったら大げさだが、声をかける口実として「まちづくりへの協力」を養成するメッセージを届けた。

すると、「実はそのまちの・・さんの事務所に就職したので、何かのお役に立てるかもしれません」という意外な返事が返ってきた。

その瞬間、これが「オフレコ」だと僕は感じた。

そして、彼を誘っていきなり「オフレコ会」を立ち上げた。

今日の話が匿名と仮名だらけなのは、それがオフレコだからだ。

本当の秘密とは、心に秘めて決して話すことはないことのはず。

だから、そもそもオフレコとは、他人に話したいことのはず。

だが、いきなり全ての人に話すと、誤解を招いたり、迷惑をかけることがある。

そこで、一部の人だけにそっと話し、意見や提案などを求める「相談」のようなもの。

公表されているすべての情報が、ある意味で結論だとすれば、それまでのプロセスは全てオフレコであり、それが判らない人とはうかつに話ができないと思う。

「オフレコ」とは、発言者が最初に宣言し、そこに居合わせた全ての人が合意した時に成立する。

だから僕は、「オフレコ」は真実であり、本音であり、プロセスだと宣言する。

 オフレコ会」は、そんなやり取りを体験する非公開のグループだ。

https://www.facebook.com/groups/701358776946283/

何も言わずに黙って聞いている人は、僕の方から除名する。

これに同意して、何か言いたい人は誰でも受け入れるので来て欲しい。

そして、気味が悪くて賛同できない人は、どうかオフレコなので忘れて欲しい。