落選と負け惜しみ

1億円の助成金目指して、日本財団主催のソーシャルイノベーターフォーラム2017に応募したんですが、書類審査で沈没しました。

ご相談したり、ご協力を仰いだりした大勢の皆様に、お詫びしたいと思います。

そして、偉そうに色々と宣言したことを、皆さんにもお詫びしたいと思います。

ですが、今回のチャレンジで新たなプランを具体的に描くことができたのは事実です。

そして、すでに行動も開始してしまいました。

「いわゆるビジネスコンペに応募するということは、事業プランを確立する良いチャンスだ」と、常々話してきた僕ですが、今回ばかりは自分自身でそれを体験することになりました。

ということで、少し負け惜しみ気味になりますが、今後の目論見について整理したいと思います。

これまで僕は、土地を売買するための資産でなく利活用するための資源としてとらえる「ランドリソース」という考え方と、誰もが所有者として土地の利活用に取り組む「オーナーシップ」という考え方で、土地とその利用に関する革新を目指してきましたが、今回のチャレンジの最大の成果はこれらをつなぐ方法を見つけたことです。

それを「ソーシャル不動産」と名付け、慌てて事業プランに仕立てたんですが、後から見返してみると、何ともお粗末な出来栄えでした。

むしろ、提出〆切の翌日から、webサイトをリニューアルしたりFBグループを作ったり、具体的な作業をやりながら、次第に事業イメージが固まってきました。

そして、T君の誘いに乗って千葉の御宿町を訪ね、多くの方に「ソーシャル不動産」を説明するうちに、この事業の必要性というか、必然性を確信するようになりました。

実は今週、もう一つの挫折がありました。

それは、クラブのNPO法人化に関する問題です。この手続きの最大のポイントは、笑恵館における賃貸収入を財源とする非営利事業を「NPOの主要な事業」として認証してもらうことでしたが、賃貸事業は特定非営利事業とは認められず、除外するかその他の事業に位置付けて欲しい・・・との指摘を受けました。

白状するとこの点については、申請の当初から懸念されていたのですが、都庁では認証に関する事前相談は一切受け付けず、正式申請を受理されたものについてのみこうした協議がなされます。

都庁の担当者は親身に話を聞いて下さり、「賃貸収益という言葉を使わずに、もっと丁寧に説明すれば認証されるかも」と貴重なアドバイスをくださいましたが、果たしてそのようなデリケートな取り扱いを経て、大胆な執行ができるのだろうかと不安になり、ひとまず申請を取り下げることにしました。

こうした申請を取り下げるのは、今回が初めてではありません。

僕には一昨年、内閣府に提出した公益申請を途中で取り下げた前科があります。

冒頭から僕が謝罪モードなのはそのせいです。

僕には「初めに計画を立ててそれを実施する」などという能力は備わっておらず、実行しながらしながら考えるタイプであることは否めません。

でもだからこそ、撤退するときは躊躇せず、次の一手を考えたいと思います。

失敗も、撤退も、プロセスにすぎません。

分かれ道で選択に迷ったら、立ち止まるのでなく、素早く両方やってみるのが僕のやり方です。

だから、これら一連の「3つの失敗」は、僕に与えられた選択肢を一つずつ試してきたプロセスだと言えるわけです。

その結果、次の選択肢へのチャレンジはすでに始まっています。

それは、これまで一度も挑んだことのない、新たなチャレンジだということだけに、今日のところは留めたいと思います。

ただ一つだけはっきりしていることは、もう僕一人で突っ走るのはやめようと思います。

今回の応募は僕にとって初めての体験でしたが、同時に最後のチャレンジでもありました。

メンバーであるKさんの「松村さんは背後に回り、私が応募者になりましょうか」という制止を振り切り、60歳のおじさんがしゃしゃり出たのは、最後に一度やってみたかったからでした。

だから、残念ですが落選で良かったと思っています。

これで通過していたら、僕の独りよがりはまだしばらく続いていたでしょう。

納得のいく答えを見つけた上での落選は、実は最高の結果だったかもしれません。

どうですか、負け惜しみもここまで来ると、大したもんだと思いませんか?。