3.用心棒・破綻処理

失敗から目をそらすな

新しいオンラインサロンを始めました。タイトルは「倒産覚悟の経営のススメ」、ご存じ僕の倒産経験の話です。もとはと言えば、1999年当時、構造的な不況にあえぐ建設業界の業界紙からの依頼で10回にわたって連載したレポートですが、反響に応えるため業界紙の許可を得て僕個人のwebサイトにも掲載し、公開してきました。当初はこの記事を読んだ方から深刻なご相談を受け、真夜中に現場に駆けつけることもありましたし、今でも僕の経歴の中で誰もが興味を持つ強烈な1ページです。新たなチャレンジの相談に応える中でも、成功のことばかり考えず、あえて失敗を想定しその対処法も考えることで、むしろ失敗を恐れない大胆なチャレンジを促すように心がけています。

初めての方のために、簡単に内容をご紹介すると、メインバンクの破たんをきっかけに始まった信用不安から、最後の破産手続きまで、知識として知っていたはずの「会社倒産にまつわる様々なキーワード」を僕は実際に経験することになりました。目次はまさにそのキーワードで、次のようになりました。

1.経営者は倒産を覚悟せよ、2.資金繰り、3.情報開示

4.営業譲渡、5.詐害行為、6.労働債権 解雇

7.手形 銀行、8.Xデイ、9.取り立て、暴力団、10.破産

会社の破たんに直面した時、「会社を潰さないためにはどうすればよいのか」を論じる人はいても、「会社が潰れるときにどうすべきか」は誰も教えてくれないことに気付きました。それは、会社を潰すことが物を盗むことや人をだますことのような「悪いこと」だと思われているからです。「物を盗むにはどうすればいいか」など論じるのはもっての他という感覚だと思います。また、今回facebookでこの話をしたところ、さっそく「破綻を乗り越えたというが、倒産時に損害を被らせた人々を放置しただけではないか。」とのコメントをいただきました。正直言ってその通りです。僕は損害の弁済をせず、事業の再開を最優先しました。約30億の個人補償債務は、1円も返済していません。

しかし、「成功と失敗」は「善と悪」ではありません。一切不正をしなくても、失敗しない保証などありませんし、不正だらけで成功している人も少なくありません。そして、失敗経験者がそれを語ろうとしないので、失敗者が少数であると思われがちですが、成功より失敗の方がずっと多いことも忘れてはいけません。新規創業の存続率は数パーセントだということを、私たちは頭では知っていますが、大多数の失敗者が、損害賠償できずにいることは考えようとしません。しかし僕が破たんに直面し、その窮状を公表した時、多くの人から非難されると同時に、多くの人が自分の失敗経験を語り教えてくれました。だから僕は、被害者のふりをせず加害者として誹りを受けることで、責任を取り失敗に対処することができました。

このサロンは、「倒産覚悟の経営のススメ」を教材にしたオンラインコンサルティングです。まずはテキストを読んでいただき、よくわからない点について自由に質問してください。もしもあなたがすでに質問事項をお持ちであれば、あなた用のスレッドにそれを書いていただければテキストを活用してアドバイス差し上げます。

僕は、悪いことをしないように生きたいと思いますが、失敗しないように生きたいとは思いません。全てのチャレンジは失敗との戦いです。成功するまでやり続けられれば破たんなどありませんが、これ以上の迷惑をかけたくないと考えた時の選択が「破たん」なんです。会社を潰し、再建を果たした時に気付いたことは「もっと早く潰せば被害は少なくて済んだのに」という後悔であり、「潰さなければよかった」と思ったことは一度もありません。だから、あなたの周りに、失敗について悩んでいる人や失敗を恐れて踏み出せない人がいらっしゃいましたら、どうぞご紹介下さい。失敗を直視し、破たんを想定することで、再び前進できるようお手伝いさせてくださいますよう願っています。