shin200

先日来ご案内している「SHINCLUB展・渋谷の建築屋200ヵ月間の記録」を、いよいよ11/15(火)渋谷ヒカリエ8階で開催いたします。テーマは「チャレンジしなくちゃ建築じゃない」。平日の日中ということで、このメルマガをお読みいただくほとんどの皆さんはお越しいただけないと思いますので、この場を借りて少し内容をご紹介したいと思います。まずは、イベントあいさつ文から。

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本日は「SHINCLUB展・渋谷の建築屋200か月間の記録」にお越しいただき、ありがとうございます。 弊社は、1999年10月、倒産した前身会社の志をあえて引き継ぎ、この渋谷のまちで創業しました。 建築は、すべて現場での一品生産なので、施工者は「その誕生を見届けた証人の責任」を担います。 だから私たちは、たとえ会社が潰れようとも、建築屋としてやり続けようと考えました。

しかし、前身会社のやり残した「仕掛かり工事」や、破産処理に関する対応は待ったなしです。 創業当初の半年は、新規受注に専念できず、希望と苦悩の板挟みのような状況が続きました。 特に、仕掛かり工事に取り組んでいると、旧来のお客様からの苦情にも対応しなければなりません。 でもやがて、お褒めの評価とお叱りの批判の双方を、身に受けることで成長する自分に気付きました。 仕掛かり現場のチャレンジが終わるころには、新しい会社の息吹を感じるようになりました。

こうして迎えた2000年の4月より、心機一転「SHINCLUB」の発行を開始しました。 お客様や取引先にお届けするほか、今では各工事現場にて掲示配布もさせていただいております。 弊社を取り巻く話題や、関わりのある皆様の取組を、A3サイズ1枚まとめたささやかなリポートです。 しかし、継続して発信することで常に自らの姿勢を正し、わが身を鼓舞することとなりました。

本日は、「SHINCLUB」全200号をお見せし、感謝を込めて200か月間のチャレンジを振り返ります。 この間、多くのお叱りとお褒めをいただくことで、私たちは現在にたどり着くことができました。 現場施工、一品生産、世代を超え、役に立ち続ける・・・建築はまさに「チャレンジ」そのものです。 「チャレンジしなくちゃ建築じゃない」を合言葉に、弊社はこれからも頑張り続けたいと思います。

2016年11月15日
東京都渋谷区渋谷3-8-10 JS渋谷ビル5F
株式会社辰 代表取締役社長 森村和男、編集担当 松村典子

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僕は建設会社の創業社長の息子に生まれ、紆余曲折の末仕事を引き継ぎましたが、バブル崩壊後の金融再編の波に巻き込まれた形で会社を潰してしまい、必死の思いで再建したのがこの会社です。創業当時は新会社としての事業構築と、潰れた前身会社の破たん処理を同時並行で進めるために必死でした。そんな中、こうした広報誌の発行にこだわったのはなぜだったのか、今になってよくわかるようになりました。それは「事業の継続性」へのこだわりです。当時の僕にとって、とにかく「毎月発行すること」が大切でした。小さな会社なので毎月発信するほど仕事もありませんでしたが、その逆に「毎月発信するネタを作るために仕事をしよう」とみんなを鼓舞したのを思い出します。

このやり方は、建築を離れた現在に至っても全く変わりません。すべてのプロジェクトの活動は、ミーティングや食事会など、とにかく何かにかこつけて「月例化」し、継続することを最優先しています。そのためには平日も土日も関係なく、メンバーの都合や活動の便宜を最優先させます。このような「継続性」に対する僕のこだわりは、倒産経験から生まれたものかも知れません。倒産により周囲におかけする迷惑とは、結局すべてが「継続できないために生じる迷惑」です。銀行への返済、下請けへの支払い、顧客へのサービスなど、たとえ遅延や失敗があったとしても、継続にとりそれを取り戻し、挽回することが可能です。最大の迷惑とは、「諦めて終わること」だということを、僕は倒産経験から確信しました。

建築とは、「建築物を作る行為」を指す言葉です。先ほど僕は「建築から離れた」と書きましたが、そうではなく「社会そのものを建築物と捉えるようになった」といった方が正しいのかもしれません。そしてそれもまた「継続性」のこだわった結果なのだと思います。きっと僕にとって、「チャレンジ=継続」なんだと思います。継続・利活用を最優先せず、新築することばかりを求め、過剰な供給をやめようとしない「建築」に対する異議を唱えているのだと思います。

きっと、僕の心の中にある「継続しなくちゃ社会じゃない」という叫びが、今回「チャレンジしなくちゃ建築じゃない」という言葉になって飛び出したのだと思います。