machokoto

以前、某D社が「マチコト」というサービスを開始するにあたり、僕の所属するNPOカプラーが意見を求められた。簡単に言うと、地域版SNS。当時すでに、同様な試みは全国各地で行われていて、絶対にやめた方がいいとアドバイス。さらには、GPSと連携した地域フィルタリング型SNSを提案したのだが、まるで聞き入れてもらえず、結果は無残な失敗に終わり、今は跡形もなくなっている。今回、ポケモンGOの大ブレイクを見るにつけ、GPS機能を使わないスマホなどあり得ないとの確信を持った。そこで、当時の提案をもう一度説明したい。興味のある人、質問大歓迎。このままパクって応用する人は、うまくいったら分け前ください!

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企画名:場所を切り取るSNS・・・GPS連動型SNSによる、地域サイトの統合戦略

1.ローカルサイトはなぜうまくいかない?

そもそも、「ローカル」というカテゴリー自体に無理がある。第1にローカルは「不公平」だ。知名度や歴史など、地域情報の分布にはムラ(不均衡)がある。情報量は一部の人気スポットに集中し、無名の大部分の地域では、そもそも発信情報が極端に少ない。京都は有名でも、その隣の町など誰も知らない。第2にローカルは「辺境だらけ」だ。ローカルは広さを持つ面なので、かならず中心と辺境がある。地理的中心と情報分布の中心が一致するわけではない上に、広さでいえば大部分が辺境だ。世田谷と言っても、その中心を意味するわけではなく、目黒との区境を超えたところで何かが変わるわけではない。結局情報と場所は必ずしも近接していない。そして第3にローカルは多すぎる。地域情報を伝えるサイトは細分化と分散化が進み、利用者がアクセスする手順が確立していない。ローカルごとにどんなに素敵なサイトを作ろうと、市町村レベルで1700以上あるローカルから探し出すだけで面倒だ。すでにローカルサイトは、ごみの山と化している。

2.絞り込みでなく、ここから広げる

そこで、すべての地域を網羅した、GPS連動型の地域限定型SNSを提案する。それは、「仮想の町(GooglrMap)」と「現実の町(行政区分)」を連動させるシステムで、SNSの発信情報にGPSの位置情報を付加し、同一エリア内の情報だけを受信するようにフィルタリングを行う。つまり、SNSの参加者は、どこに居ようと自動的にそのエリア内限定の情報受発信を行うことになる。こうすることにより、第1にすべてのエリアは知名度などに関係なく、滞在者に対してエリア内の発信情報を提供する。発信者がエリア内情報のみを発信するようにすれば、受信者はエリア内の情報だけを受信できる。第2にエリアの境界を超えると配信情報が変化するので、辺境が交流や出会いのエリアとなる。第3に、GPSで常に自分のエリアを特定するので、ローカルがどんなにたくさんあろうと、そこから探し出す必要はない。

また、全国のGPS位置情報を「町単位」で分割することにより、情報数を減らし発信情報の到達性を高めるとともに、無償会員が受信できるHERE(今あなたがいる町の範囲)情報に加え、有償会員になればNEAR(HEREに隣接する町の範囲)、THERE(NEARに隣接する町の範囲)など、様々な段階で情報を投稿・閲覧できる仕組みにする。そうすれば、様々なエリアのローカル情報を現地に行かなくても閲覧・投稿出来るようになる。すべてのエリアから自分の居場所や目的地を探し出すのでなく、自分の居場所から周囲や世界を訪ねていく従来とは逆のアプローチが実現する。

3.身近な情報の唯一の受け皿

この仕組みでの「発信・投稿者(無償)のメリット」は、エリア内滞在者に情報が到達すること。GPSに連動することでSNS情報をそのエリア内で発信されたものだけにフィルタリングするので、「町内の情報」を発信すれば、「町内だけ」で受信できる。例えば、エリア内の店舗や事業者が発信した情報は、地域滞在者に確実に到達する。ポータルサイトやローカルサイトからSNSにたどり着くのでなく、逆にSNSからローカルサイトへの誘導を図ることができる。その結果「行政・団体・企業など、エリア内のすべての事業者」がメリット享受者となる。

また、「会員(有償)のメリット」は、無料会員の登録情報による絞込みだ。無料会員の住所情報は、来訪者の識別や地元住民だけの情報収集を可能にする。また、年齢情報は、類似ニーズを持つ同世代の情報などの分析に活用できる。などなど、属性による絞込みには無限の応用性が秘められている。

2014.05.08 ㈱D・・意見交換会での提案要旨

特定非営利活動法人 カプラー 事務局長:松村拓也

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以上、この記事もポケモンGOに触発されて、昔の企画を思い出した。この仕組みの形式は、SNSである必然性は無いが、エリア内情報の自由な受発信と言う意味では、現時点でSNSがわかりやすいと考える。ただ、確実なのは同様の仕組みは「世界に一つしか必要ない」ということだ。イメージとしては、ローカル版フェイスブックないし、ツイッターという感じだろうか。だが、ローカル情報に限定し、GPSと連動するのは、今回のポケモンGOでイメージしやすくなったはず。