僕の報酬・計算法

来週の火曜日までに二つの企画をまとめなきゃならないのに、先日提出したS社の秋のイベント企画の日程と会場が変更になり、そのやり直しも加わってちょっと崖っぷち状態だ。

でも、こういう時に限って頭は元気に回転する。

今日は、イベント企画のアレンジと、火曜日締め切りの企画を一つまとめるところまで何とかたどり着き、最後に添付する見積書の作成に取り掛かった。

実はこの仕事、先週の火曜日にH市のある団体から相談を受けたのだが、予算を聞くと8万円でイベントの企画運営をお願いしたいとのこと。

僕は報酬が少ないことを理由に仕事を断ることはないが、そのために費やす時間が惜しいと感じるとたちまちやる気がなくなってしまう。

だから、今回の依頼については、1週間でラフな企画書を作成し、もし採用されるようなら企画費として5万円をいただき、その後1回につき1万円で打ち合わせに対応する。

つまり、ラフな企画と3回の打ち合わせで8万円と帰りの電車で考えた。

僕の提案が面白くなければ、企画の作業は徒労に終わる・・・という設定で、僕はやる気になってる自分を感じていた。

そもそも僕は、自分の報酬を「月額100万円」と決め、すべてはそこから算出する。

1か月を4週間、1週間を月から金の5日間とすると、就労日数は20日/月となり、基本日給は5万円となる。

だから1日仕事は5万円、半日仕事は3万円で引き受けて、8時間労働だとすれば、時給6千円くらいという感じだ。

また、毎週1日ずつ勤務するなら20万円、週2日なら40万円が月額の目安となる。

これまで企業や行政からやとわれる時は、この目安で何ら問題はなかった。

月額100万円ということは、年収1200万円ということになるが、僕のキャリアでその金額は決して法外ではないと思う。

むしろその満額を支払わず、計り売りのように必要な分だけ雇えると考えれば、「得な買い物」と言われることが多い。

しかし、これはあくまで仕事があった場合の話であって、月収100万円とは、目標上限金額だ。

これまでこのやり方で月額80万円くらいまで到達したことはあったが、100万円に届くとは思えない。

考えてみれば、週1日で20万円を気前よく払ってくれるのは、羽振りの良い企業や行政だけで、普通は誰からも「1日5万円は高い」と言われているし、僕が払う側だとしたらそんな金額払えない。

ある時僕はこのことに気づいて愕然となった。

会社から普通にもらえる金額を自分で稼ぐことがこんなに大変だなんて、社会はそれでよいのだろうか。

これでは、会社から見捨てられた人は生きていけない・・・と考えてしまうのは無理もない。

でも、すべての人が雇われる時代は、ワークシェアリングなど、分け前が減るばかりで何の意味があるのかと思っていた時代はとうの昔に終わっている。

今ではたとえパートタイムでも、定期収入を確保することが死活問題になりつつある。

そこで僕は、最後の定期収入だった週に1日のコンサル業務を昨年12月ですべてやめ、本格的な貧乏状態に突入した。

雇用者に依存するのでなく、たとえ少なくても定期収入を生み出すビジネスを自分で生み出すこと・・・つまり今僕が挑んでいるのは、「起業」に他ならない。

僕はこれまで運よく仕事にありついてきたが、これではビジネスとは言えない。

自分でやろうと思ったことが仕事になり、自分の願っていたことを実現させるのがビジネスだ・・・と、これまで偉そうに教えてきた。

だから今、僕はそれに挑むため、そうせざるを得ない状況に自分を追い込んだ。

そして、仕事をくれそうな人のところへは行かず、価値がなければ相手にしてもらえない人を訪ねていく。

そして、自分の作ったものにふさわしい値段をつけて売る。

欲しければ相手が値切ってくるだろうから、こちらから値引きは絶対しない。

それが僕の商売だ。

8万円で頼まれた仕事は、8万円の答えを出さなければならない。

自分を1日5万円で売るならば、1日で企画書を書き上げその値段を5万円にするしかない。

だから企画書を5万円、2時間程度の打ち合わせを1万円にして、僕に頼らずとも自分でイベントを実施できるようにするために、3回の打ち合わせを行うことが、僕の「起業支援」の提案だ。

僕の価値を下げることなく、それを相手にとっても価値あるものにしていくことは簡単なことではないが、これを当たり前にできるようになりたい。

それができるようになれば、羽振りの良い会社に依存せず、都会だけに依存せず、そして日本だけに依存せず、世界のどこにでも行ける人間になれるのではないか・・・それが現時点での僕の夢かナ。