3.用心棒・破綻処理

ビジネスの撤退

先日、起業パートナーとしてお付き合いしているC社の定例会で、「主要事業からの撤退」の報告を受けた。リーダーのY君は活動拠点を地方都市に移したため、以前から経営メンバーへの事業譲渡を模索してきたが、稼働している3件の主要事業の内1件の存続を決めたところで、今回の撤退を決意した。事業収支の悪化は否めないが、撤退を決めた原因は他にある。それは、経営スタッフの中から、当事者意識を持つリーダーが現れなかったことだ。

ビジネスで一番大切なことは、お金ではなくメンバーたちの想いや覚悟だと、僕は確信している。ビジネスの担い手、プレイヤーになる条件は、本気で真剣にやることしかない。ところが、これを実行するのは難しい。もしも真剣にやったのなら、撤退に際しても思い残すことなどないはずだ。ところが、ここまでそれを引き延ばしてきたのは、やり残したことだらけ、本気を出したとは言えない自分たちがいたからだ。皮肉なことに、お金がその本気を簡単に計ってくれる。結局、お金を出したメンバー一人の事業だけが継続することになった。

今回の撤退で、メンバーたちは初めてリーダーの真意を知るのかも知れない。リーダーもまた、初めて次の扉を開けるのだろう。若者たちには、ぜひ忘れないでいてほしい。お金を出すことで自分を本気に追い込まずとも、いつでも本気を出せる人間になることの方が、世界を動かすには必要なことだと僕は思う。この撤退は、大きな前進だ!