あなたがもし、誰もがオンリーワンを目指すのは勝手だが、実際になれるわけはないと考えているなら、それは間違いだ。「オンリーワン戦略」は誰でもできる、いや、正確に言うと誰にでもできるのは「オンリーワン戦略」しかない。

僕はいつも、新しい言葉を思いつくと即座にググってみる。もしも、その言葉が各所で使われていたら、その言葉は使わない。その逆に、そのままの形でほとんど使われていなければ、自分の言葉として使い始める。[建築屋]で検索すると、僕が作った[辰]という会社がトップで出てくるが、これも特段のSEO対策をしたのではなく、初めにググったら使われていなかったという、ただそれだけのこと。他にも[倒産覚悟]、[土地資源]などの熟語の他、[会社をさぼろう]、[廃業を防ぐ]などのフレーズや、[アントレハウス]、[ドッグストリート]などのカタカナ系、そしてもちろん[ビジネスリーグ]も、トップで出てくるキーワードだ。

また一方で、1位を目指すものの苦戦をしたり、全くうまくいかない場合もある。例えば僕の社名である[なのに]は、なかなか1位にはなれない。[(株)]をつければ簡単だが、ぼくは[なのに]で1位を目指す。とはいっても、何をするわけではなく「至る所で名乗っていれば1位になる!」と力んでいるだけだ。何とか[柏原芳恵(春なのに)]には勝てるようになったが、[コトバンク(辞書)]はさすがに手強い。[世界は言葉でできている]というテレビ番組に対し、この言葉が許せなくて[言葉は世界でできている]という言葉で挑んでいるが、まだ2ページ目で甘んじている。このように、手強い「相手」や「言葉」があると、なかなか「1位」にはさせてもらえない。でも僕はこの戦いが大好きだ。少なくても日本で「1番になること」、「オンリーワンになること」が、いとも簡単に体験できる。

ビジネスにおいて「1位」になることはとても大切なことだ。2位じゃダメ、1位でないと意味がない。それは、先ほど述べた通り「オンリーワン」になることに意味がある。1位と言っても「負けない1位」にならなきゃいけない。なぜなら、ビジネスは何と比較されようと、選ばれ続けなければならないから。先ほどのWEB検索を思い出してほしい。WEB上で探し物をしている時、初めの3つくらいでほとんど勝負は決まる。その後も丁寧に調べるのは、そこに答えが無い時だけ。はじめに「正解!」みたいなページがあれば、ほとんどそれで終わってしまう。もしもあなたのビジネスを、念のために調べてみたいと思った時、会社の名前を入れてもなかなか見つからないなんてことになったら、むしろ逆効果になってしまう。

先日BSで「さかなクン」と「歴史学者の磯田道史氏」が登場する面白い番組を見た。まさに二人のオタクが、江戸時代の魚に関するよもやま話をするのだが、当時の書物に驚くべき詳細な魚の記述があり、市中には極めて細分化された多様な魚ビジネスがあったことが紹介されていた。魚の種類ごとにさばき方も食べ方も異なり、それを専門にする職人や商人がいた。考えてみると、近代化、工業化、国際化とは、これらを合理と効率の名のもとに淘汰統合した歴史だ。町村合併で地域の名物が滅びたり、農協合併で地域の名産ブランドが消滅したり、安く早く大量に供給するために多様性が失われ、どこの業界も集約した適者だけが数社生き残るので精いっぱい。今企業たちが繰り広げる殺し合いの競争から、明るい未来はまるで見えない。

はじめにも言ったとおり「オンリーワン」は誰でもできる戦略だ。それは世界を小さくすること。自分のいるその地域で1番になることだ。「誰もが他人のやらないことをやるのが普通」という社会を僕は目指したいが、あなたはどう思う。「誰もが儲かる会社に就職して一生クビにならない社会」なんて僕には見えない。大多数の人は、自分のまちで「オンリーワン」になることで頼られる存在になることができる。必要なのは「やらないうちから誰かがやっていると諦めないこと」と、「人がやらないことをやる勇気を持つこと」の2つだ。みんながそうやって自分の力で生きて行かないと、みんなのおかげで生きている大きな会社も死んでしまう。大企業を進化させているのは、日本を支えているのは、世界を生かしているのは、自分の力で生きていく僕たちなんだということを忘れてはいけない。

会社も国も無かったころから、人間は生きて、進化して、生み出してきた。[ビジネスリーグ]とは、その原点に立ち返り、僕たち全員が、小さくても自分で考えたビジネスを見せ合って、互いが「オンリーワン」になるように工夫をするチャレンジだ。