3.用心棒・破綻処理

日本の財政はどうなるの?

昨日ある人から「松村さんはいつも”日本が財政破たんすることを前提に動いている”って言ってるけど、それってどういうこと?」と尋ねられたので、その時に話した内容を意見として整理しておく。

「日本の財政破たん」とは「何らかの理由でもうこれ以上赤字国債の発行ができなくなる状況」のことで、それがどのように現実化するかは僕には判らない。現在約100兆の歳入のうち半分の50兆が赤字国債・・・借金だが、支出のうち20兆が返済に充てられている。そのうち10兆が赤字国債1000兆の利息分で残りの10兆が元本返済分だから、利率1%の借金を100年かけて返済しているわけだ。この借金を返せるかどうかはともかくとして、もうこれ以上借りられないとなると、歳入は一気に50兆となり、現在の返済を除いた歳出80兆に対し、いきなり30兆の不足となる。もしも国債の利払いと返済を続けるとなれば、さらに20兆の支出が加わって、30兆の収入で50兆分の仕事を減らすことになる。

実はこのことをプライマリーバランス(基礎的財政収支)といい、その赤字をゼロにする目標を最初に立てたのは1999年小渕内閣の時だ。その後「骨太の方針」と呼ばれ小泉内閣に引き継がれ、最近安倍内閣も2020年度までにそれを目指すと言っている。これまで15年間、達成できないどころかむしろ悪化し続けるプライマリーバランスを、この嘘つき政府に改善できるとは誰も思っていない。つまり、日本の財政破たんは「誰もが望まないこと」というコンセンサスによってのみで阻止されているにすぎない。僕も破たんは望まないが、備えざるを得ない状況だ。さらに言えば、僕が少しでもその危機に立ち向かうためには、その破たんが一刻も早く実現してくれることを願うしかない。

話を50兆の歳出削減に戻そう。国家財政は一般会計の他に特別会計があったり本当はもう少し複雑だが、ここではそんな議論に意味はなくもう少し大雑把な話で十分だ。日本の国内総生産GDPは約500兆で、税収は約50兆だ。日本国の政府や役所は、我々国民の税金で仕事をするいわば「国民の下請け」なのだから、本来この50兆の税金でやりくりしなければならないはず。ところが、さらに毎年50兆ずつ借金をして、結局は国民のために使っている。公共工事、社会福祉、各種補助金、そして公務員の人件費だ。これらに関連するビジネスは近い将来壊滅的なダメージを受けることになるとだけ言っておく。そこで僕が取り組むことは、大きく分けて次の3つだ。

一つ目はお金を使わない社会福祉=地域コミュニティを再生すること。各種保険や助成金で賄っている社会福祉や保障の破たんを乗り越えるため、市民が互いに助け合う仕組みを再生する。財政破たんした夕張市では市民病院が廃止された結果病人が減るという現象が起きているが、社会の負担を減らす仕組み作りに僕たちは知恵を絞るべきだと思う。

二つ目は、新たな小ビジネスが生まれやすい仕組みを作ること。技術革新とグローバル化によりビジネスは国境を越えて進化と成長を遂げたが、その合理化ゆえに雇用は減少し、富裕と貧困双方の[不労]を蔓延させている。ビジネスは膨大な貧困消費者を相手に、壮大な自動販売機開発にしのぎを削る一方で、多数の人が豊かになる仕組みにはなっていない。僕たちはあえて巨大ビジネスと競合しないローカルビジネスの創出に努め、生産者人口を増やす必要がある。

そして三つ目は、上記の取組に必要な資源と財源の確保。それは、永遠に減ることのない[土地(場所)資源]と、そこから得られる賃料収入だ。人々の社会関係と経済活動を身近な地域単位にローカライズするには、場所資源が必須なのに、今空き家や放棄地が増大しているのは、まさに家族や地域コミュニティの崩壊と、ローカルビジネスの衰退に起因している。

3つの取組は正解でも結論でもなく、単なる僕の意見にすぎない。日本は破たんせず、再び経済発展を遂げ、健全な財政を取り戻すかもしれない。でも僕はそう思わないので破たんを前提に次の世界を作ろうと思う。ただそれだけのこと。あなたはどう思う?