公私と官民を解きほぐす

公という言葉にはいろんな意味がありますが、私が知りたいのは「公私の公」です。

まずGoogle翻訳をやってみると早速面白い答えが返ってきました。

「公私 Public and private  official and personal government and the people」 公には「Public と official と government」の3つの意味があるのに対し、その対義である私にも 「private と personal とthe people」の3つの意味がありました。

ついでに「と」をつけてみると「公と私 ⇔ Duke and I」翻訳ソフトって面白いですね。

Dukeは、上の3つの中ではgovernmentに近い役割を表す言葉で、統治する側とされる側みたいな「どちら側にいるか」という意味だと思われます。

次に、英語から逆引きしてみることに。

まず「Public and private」と入れてみると「⇔官民の」となったので、 今度は「官民」と入れてみると「官民⇔ Public private」、 「と」をつけてみると「官と民⇔Public and private sectors」となり、 どうやら官と民は、部分や分類などの範囲を示す意味だと分かりました。

最後に、残った「Official」は、「⇔公式、役員」という意味で、対義語のpersonalの反対語を調べると、 「Impersonal⇔人間味の無い」・・・なるほど、うまく言えませんが、外出着と室内着、スーツとパジャマみたいな感じですかね。

さて、ここで注意しなければならないのは、「公」を「支配する側、役所の管轄、形式的」を意味する言葉だと決めつけるのではなく、これらの3つのイメージを併せ持つ言葉だと考えてみようということです。

言葉は答えではなくヒントにすぎず、言葉が表す意味とか現実を良く見る必要があると思います。

現に「公・私」から英語経由で「官・民」や「外・内」という言葉が現れて、それらの言葉を合わせながら私たちは何かをイメージしています。

答えはその「イメージ」であり、それを何と言えば伝わるか・・・が「言葉」です。

私は当初、「空き家はほとんど私有地です」と言っていましたが、国税庁の資料には「民有地」と書いてあり、このちぐはぐに困っていました。

やがて「私有地を法人所有にしてしまえば、みんなが使える公有地になる」と言い始めたものの、「公有地」を辞書で引くと必ず「国や役所が所有する土地」となってしまい、辻褄が合いません。

先ほどの公益の話と同様、みんなが知らないことを伝えるためには、みんなが知っている言葉を使わなければなりません。

そのために「公」という言葉がみんなの頭に作り出すイメージをもう一度検証し、私の意図を伝えるための言葉を探すことにしたわけです。

私の間違いは「私と民」の使い分けでした。

私が本当に言いたかったのは・・・ 土地には「民の土地と官の土地」があり、官の土地には税金が投入されて廃校活用や地域の活性化といった取り組みがなされるが、民の土地は所有者任せで、空き家や放棄地が生まれてしまう。

そこで、民の土地も個人がバラバラ(私)に所有するのでなくみんな(公)で所有すれば、不自由な官の土地にせず自由な民の土地のママ、みんなで協力して活用できるはずだ ということでした。

この一見複雑な「公私」の関係ですが、解きほぐしていくうちにこんなイメージが湧いてきました。

誰しも自分には、【周囲の人と同じでいたい自分】と、【周囲の人と同じでいたくない自分】の2面性があり、その相反する両方を求めながら生きている。

きちんとした自分とだらしない自分、気配りのある自分とわがままな自分、困った時には謙虚になり調子のいい時には横柄になる・・・人間はそんな生き物です。

だから私は、すべての人の役に立とうとは思いません。

土地に関して困っている人たちに声をかけ、互いが協力し合う仕組みを作ろうとしているのだと、 今説明できるようになりました。