笑恵館には2つの定休日があります。一つは笑恵館自体施設としての定休日で、 もう一つはテナントのパン屋(せたがやブレッドマーケット)の定休日。二つの定 休日をめぐり、考えさせられています。 できれば一日も休みたくありません。休んでしまえば、来客数が減り→売り上げ が減り→利益が減ります。これが「休むことのデメリット」です。一方で「いつ でも使える・いつでも買える」という来客に与える安心感は「休まないメリット (価値)」です。休むことがデメリットで休まないことがメリットなんだから、休みたいはずはありません。安心がやがて信頼を生み、頼りにされる存在になることこそが、笑恵館の目指す姿です。 だからこそ、何とか「休まないでもできる仕組み」を模索してきました。

笑恵館に住んで生活することは、休まず運営するための必須条件です。言い換え れば、住宅こそが年中無休の施設にふさわしい。ただし、そこで働き・稼ぐこと が必要です。職場が別では、仕事中は留守となってしまいます。こうして、崩壊 しつつある地域コミュニティを再生すべく、笑恵館はおのずと「職住接近または 一致」を目指すことになります。 そしてもう一つは会員制。「笑恵館クラブ」というゆるい家族の一員となること で、笑恵館利用者にも運営の一部を担っていただくのは、休みを減らし、なくす ために他なりません。 開業に際し、パン屋さんから「木・金を定休としたい」という申し出があり、こ れに合わせて笑恵館も「金曜定休」とし、オーナーの休養日と考えました。

しか し実際には、パン屋は兼業しながらの開業となるため定休日は「店の休み」であ り「仕事を休む」わけではありませんし、笑恵館には会員から金曜利用の希望が あったため、金曜と日曜は「オーナーの定休日」と考え、私が勤務することで対 外的には定休日を設けていません。 パン屋は知らずに来店した客を落胆させないために「定休日を周知したい」の に、笑恵館はいつでも気軽に来館してもらうために「定休日を知られたくな い」。

笑恵館には、煮え切らない二つの定休日ができました。 ところが最近、定休日に関するクレームが発生しました。それは「住宅街で無休 とはどういうことだ、せめて土日は静かにしろ!」というのです。周囲の人たち は「今後はもう少し注意しましょう」と呑気に構えていましたが、私は過敏に反 応しました。なぜなら、前職の建設会社時代には、日曜日の工事休業はすでに社 会の常識だったからです。でも「日曜日を休業にする」とは口が裂けても言いた くありません。なぜなら「日曜日に楽しめる場所が近所にできてとてもうれし い」という喜びの声を私自身数多く聞いていたからです。 この問題をキチンと考えたかったから、今回書きました。そして気づいたこと は、建設会社は「日曜を静かにするから、平日はうるさくても我慢してくれ」と いっているに過ぎないということ。元当事者の私が言うのだから、あながち間違 いではないと思います。そしてクレームももっと正確に言えば「平日は忙しく働 いているんだから、日曜日くらい静かにさせてくれ」なのかもしれません。

だとすれば、会社も学校も日曜はお休みで、普段仕事に出かける人も子供たちも 日曜は家に居ます。日曜ぐらい疲れをいやすために静かに寝たい人もいれば、日 曜ぐらい家族で楽しく過ごしたいという人もいるでしょう。日曜日は本当に静か に暮らさなければならないのか。僕は慌てて答えを出したくなくなりました。 笑恵館では、毎週日曜日の11時~15時を「笑恵館ひろば」と題して、手作りのイ ベントを開催しながら施設を開放します。「お出かけしそこなった日曜日は、笑 恵館に来てください」と、日頃から呼びかけています。近所の人たちに休みを楽 しんでもらうため、できるだけ休んでいる人の迷惑にならないように配 慮しな がら、オーナーの休みを確保しつつ、私が休みを返上して、これからもお叱りを 受けながら、ステキな日曜日を目指して頑張りたいと思います。